「あなた、コンサートってまだ病気が発生する前で大分前の話じゃない。
今日は、練習で近距離だから乗れたのよ。心配してたんだからね。
あっ!ごめん。チンチンちっちゃく成っちゃた。
お弁当ありがとう。美味しかったわ。私、お昼寝するから、テレビどーぞ。」
と、妻は寝室に行ってしまった。
彼女は、僕が仕事に行く時、会社まで毎日着いて着てくれた。帰りも会社の前で待っていてくれたのである。
今日は、たまには家事休みなよ。と言って近くまで一人でお昼を買いに、練習がてらに行った。
スマホを見たら、妻からメールが沢山入っていた。電車で居眠りしていたから、気が付かなかったのである。
「成る程ね。君には、家事は無理だし、一人で遠出なんて危ないよ。会社辞めて落ち着いているだけ。無理は禁物。」
と、医者に怒られた。
「まあでも、趣味を持つのは、病気にはいい事。アイドルのコンサートだってかなりの気分転換になるな。」
妻が、
「私が一緒に行くなら、どうでしょうか?通販でグッズばっかり買っているの見てちょっと可哀想かな、っと思いまして。」
「まあ、それなら構いません。奥さんがいれば、電車を途中で降ろさしたり、コンサートの途中で退席出来る判断が出来るからね。
全く、素晴らしい奥様だ。君、感謝しなさい。普通アイドルのコンサートに着いて行く女房なんていないよ。あはははー。」
と、医者は珍しく笑っていたのである。
そして、障害者の家事代行サービスを申請しなさいと、アドバイスしてくれた。
何故なら、会社にいる間は、妻は自由に動けるが、今は僕は一日中いる。
妻が心労と家事で倒れてしまい、やがて共倒れに成る、と言ってくれたのであった。
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