「美咲ちゃん、なんで?」
「だって、サトシ君まだシャセイしてないじゃない。あたし、これ以上サトシ君にガマンさせるの、やだ!」
言われてみれば僕は、あの3日間の初日、美咲によばいをかけて以来、激しく勃起はしても、射精はしていなかった。
もちろん、一人になってから、美咲とのことを思い出して抜いたりはしていたが。
長く童貞だった僕にとって、それは当然の流れだったし、この日も、そうするつもりだった。
ただ、『万が一そうなった時の用心に』コンドームを1包だけ、ジーンズのポケットに忍ばせてあった。
「美咲ちゃんの気持ちはうれしいよ。でも…」
「大丈夫。どのくらいだか分かったから、もうガマンできるから。」
「…分かった。じゃあ、もう少し休んだら、再チャレンジしてみよう。」
僕がそう言うと、美咲は頷き、乱れた呼吸を収めるように、目を瞑った。
しばらく待っていると、美咲が目を開け
「いいよ。もう1回。」と言った。
僕は再度、美咲の開いた脚の間に座り、手早くコンドームを装着すると、亀頭をワレメに押し込んだ。
中に血が溜まっていたためか、初回よりさらに滑らかに、ペニスの半分ほどが膣内に埋まったが、美咲はやはり、苦痛に顔を歪めた。
今度はイヤイヤはしなかったが、かなり痛いらしかった。
『途中で止めてあげられないなら、早く終わらせるしかない』
そう思った僕は、思い切って美咲の両膝を強く引き寄せ、接合部に体重を掛けた。
それに合わせるように、美咲が全力で僕の背中にしがみつくと、途中で引っかかっていたペニスが『にゅるっ』と、一気に最奥まで入った。
「やったよ!美咲ちゃん!全部入ったよ!」
「しゃ、シャセイは?」
「うん、あと少し…うっ!」
言うと同時に、ほとんど1ピストンもしない内、僕のペニスは元気に命の素を発射したのだった。
「…終わった?」
「ああ、すげぇ気持ちよかった!」
「そう、よかった…」
美咲は弱々しい笑顔を見せたあと、一気に涙顔になった。
目の上に腕を乗せて泣き続ける美咲。
僕はペニスを抜くと、血と精液まみれの美咲のそこを丁寧に拭き取り、ショーツだけ履かせると、彼女の隣に横たわり、背中を撫でてやった。
美咲は泣き止んだ後も、しばらく荒い息をしていたが、やがてそれが収まると
「これで…サトシ君は、あたしのもの…」
と呟いた。
僕としてはもちろん、美咲のような美少女の彼氏になるのは最高だった。
だがそれでも、この時の彼女の言葉に少しだけ違和感を感じた。
「美咲ちゃんも、僕のもの、だよね?」
僕が返すと、美咲は深く頷き、「やっと…」と言った。
初体験を迎えた後も、僕たちは秘密の交際を続けていたが、その後間もなく、あっけなく露見することになる。僕のせいだった。
初体験の後、僕はさかりが付いた犬のように、美咲の母が夜勤で不在となる度に彼女の部屋を訪れ、抱いた。
美咲の方も、回数を重ねるごとに挿入でも感じられるようになり、僕を歓迎してくれた。
もちろん僕たちは、僕の訪問の度に痕跡を残さないよう注意したが、しょせん18歳と13歳のやることだ。大人で勘の良い叔母に、あっという間に勘づかれた。
ある日美咲が学校から帰ると、叔母が待ち受けていて「あなた、私が夜勤の時、家に男の子を呼んでない?」と聞いてきた。
その言い方がいかにも、美咲の非行を咎めるようだったので、カチンと来た美咲があっさりと
「『男の子』とかじゃないよ。従兄のサトシ君だもん!」
と言い返してしまったのだ。
その後は…
予想通り、僕の両親、美咲の母、父の二人の弟にその奥さんまで集まって、渡鬼のような親族会議。
6人とも揃いに揃って、思ったことを口に出さずにいられない人たちなので、当事者の僕たちを前に
「驚いたわ~二人とも真面目な子だと思ってたのに」
「従兄同士って、結婚できるの?」
「ちょっと年が離れすぎてない?」
などと言いたい放題。だが、基本的には全員気のいい人たちなので、散々騒いだあげく
『ふたりの気持ちを尊重して、暖かく見守りましょう』という結論になり、それぞれの家に帰って行った。
こうして僕たちは、親どころか親戚一同公認の仲になったが、ひとつだけ、『美咲の家で二人きりで会わない』とという事だけ約束させられた。代わりに、週末とかに、美咲を僕の家に連れて来てもよいということになった。
僕の両親が階下で寝ている家でセックスするのは多少抵抗があったが、『どうせ、身体の関係になっているとバレているのだから』と開き直り、毎回遅くまで、愛を確かめ合った。
ここで、タイトル回収。
大学1年の春、僕は美しく成長した美咲を一目見て夢中になり、ロックオンした。恋のターゲットと定め、何が何でも彼女にしたいと思った。
しかし実際は、ロックオンされていたのは僕の方だった。しかも、僕の2年も前から。
僕は、正直なところ、優しいだけが取り柄の、冴えない男だ。けしてイケメンでもない。そんな僕に、なぜ美咲はここまで執着してくれたのか、今もよく分からない。
付き合ってみて分かったのは、美咲は見かけによらず、『熱しやすく覚めやすい』所があるという事だ。そんな彼女の心を、これからもずっとつなぎ止めるために、『渡る世間は鬼ばかり』のような親戚たちは、きっと役に立ってくれると思う。何しろ今では、僕たちは完全に許婚(いいなずけ)扱い。親戚で集まっていても、ふたりだけの時間を作ってもらったりしている。
それでも、そんな環境に頼るばかりでは覚束ない。美咲に優しくするだけじゃなく、せいぜい、彼女の成長の手助けになるよう働き、そしてセックスの時にはいっぱい快感を与えてやる。
今の所それくらいしか、できることはなさそうだ。
※元投稿はこちら >>