翌朝目を覚ますと、お兄ちゃんはもう起きてキッチンへ行っていた。
朝までこんなにぐっすり眠れたのは、久しぶりだった。
私もキッチンへ行き、お兄ちゃんの隣に座ったが、昨夜のことが恥ずかしすぎて、とても目が合わせられなかった。
お母さんが背中を向けたタイミングでようやく「昨日は、ありがとう」とだけ言えた。お兄ちゃんはぶっきらぼうに「ああ」と答えただけだった。
その夜は、同じ失敗を繰り返さないように、いつもより熱いお湯のお風呂に長く入り、背中とお尻を十分暖めた。
でも、翌日から出て髪を乾かす間に、またすっかり冷たくなってしまって…
私が布団に入り、電気毛布でお尻を暖めていると、隣の布団からお兄ちゃんが
「今日は、いいのか?」と聞いてきた。
「うん。お風呂でいっぱい温まったから…」
「ほんとに?」
「……」
「寒いなら、遠慮すんな。来いよ」
お兄ちゃんが布団の端を持ち上げてくれた。もう、がまんできない。
私はまた、お兄ちゃんの布団に潜り込んだ。
昨夜と同じように、パジャマの背中を捲って、掌でさすってもらう。
私はすぐにうっとりとして、何も考えず、左手をお兄ちゃんの背中に回して抱きついた。
けれどすぐ、昨夜と同じ心配ごとが…
お兄ちゃんの指先が、パジャマのズボンの腰ゴムに近付いてくる。
『お尻、さわられちゃう!』
でも、指先は、腰ゴムにわずかに触れると、諦めたようにまた背中の上の方に戻って行く。それでいてしばらくすると、また下に降りてくる。
私は確信した。
『お兄ちゃんは、さわりたいんだ。私を女の子として意識してくれている。お尻にさわったら私が怒るかもしれないって、ためらってるんだ…』
私は生まれて初めて、男の子に『求められている』と感じた。そして、いつも優しいけどぶっきらぼうなお兄ちゃんが、そんな風にためらってることを、不思議と『かわいい』と思えた。
それからしばらく、私もためらったけど…
心の中で『えいっ!』と掛け声をかけて、自分でパジャマのズボンとショーツを太ももまでずり下ろした。
一瞬、お兄ちゃんの手が止まった。
でもすぐに動き出し、裸の冷たいお尻は、お兄ちゃんの熱い掌に包まれた。
「はーーっ…」
あまりの心地よさに、私がため息をつくと、お兄ちゃんは安心したように、お尻を隅々まで撫で回して暖めてくれた。
『寝ちゃダメ!このまま寝ちゃったら、いくらなんでも…』
中学生のお兄ちゃんの布団の中で抱き合って、さらに下半身ハダカのまま眠ってしまったら、何をされても文句は言えない。
そう分かっていながら、とうとう我慢できず、私は落ちるように眠ってしまった。
その後お兄ちゃんが、私のお尻をどうしたか。それは、今も分からない。
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