家に戻った時、時刻は午前3時を回っていた。
夜が明ければ学校があるので、すぐに眠ろうとしたが、興奮でなかなか寝付けない。結局、明け方に少しウトウトした程度で夜が明けた。
昨夜の事を親に怪しまれない為にも、休むわけには行かない。俺は冷たい井戸水で顔を洗って目を覚まし、何とか登校した。しかし、沙弥は来ていない。
『あの親父に、何て言い訳して休ませてもらったんだろう?』
俺は不安になったが、まさか沙弥の家まで行って聞く訳にも行かない。
家に帰っても、今にも沙弥の因業親父が怒鳴り込んで来そうで落ち着かなかったが、寝不足もあり、その内に爆睡してしまった。
翌朝登校すると、沙弥が来ていた。さすがに元気そうではなかったが、見るからに落ち込んだ様子でもなかったし、眼を泣き腫らしてもいなかったので、ひとまず安心した。
俺と沙弥の帰り道は途中まで同じ。
放課後、先に教室を出た沙弥を、俺は後から走って追いかけた。俺が走って来るのに気付くと、沙弥はビクッとして立ち止まった。
俺は追い付いて
「一昨日は、気持ちよかったな?」と声を掛けた。沙弥は俯き、首を左右に振った。それを無視して
「またやろうぜ!今夜行くからな!」
俺がそう言い捨てて先に行こうとすると、沙弥が後から
「お願い!もう来ないで!」と言った。
振り向くと、沙弥は俯いて涙をボロボロ流していた。
「もういや…お願い、もう赦して…」
震える声で訴えたが、俺の方は、やめてやる気にはとてもなれなかった。
俺の目的は沙弥の処女をもらうことではない。夜這いのマンガに出てくる少女達のように、性の快楽に溺れさせ、身体の関係を続けること。そしてその先には、沙弥と心を通わせる仲になれる。そんな希望をまだ諦め切れずにいたのだった。
「そんなにイヤなら、雨戸閉めとけよ。そうすりゃあ俺だって、お前の部屋に入れねぇからな」
これは沙弥にとって、無理難題だった。
季節は初夏。村のどの家も、寝る時も雨戸を閉めてはいなかった。あの因業親父がいる家で、沙弥が雨戸を閉め始めたら、必ず見咎められるだろう。理由を聞かれて、まさか『夜這い男が部屋に入れないように』とは言えないだろう。
その夜、沙弥の家に行ってみると、案の定雨戸は閉まってない。
前庭から縁側に這い上がり、沙弥の部屋の障子を開けると…沙弥が布団の上に正座していた。
「待っていてくれたのか?」
俺が沙弥に話しかけると
「するなら、早く済ませて。お父さんに見つかっちゃう!」と小声で答えた。
「早く、こいつが欲しいのか?」
俺が勃起したチンコを握りながら言うと、沙弥は無言で顔をそむけた。
沙弥の横まで這って行き、布団の上に押し倒す。寝間着の襟を大きく広げて胸を露出させ、舐め始めると、すぐに呼吸が荒くなる。やがて自分から袖を口にくわえた。喘ぎ声を俺に聞かせないためらしい。
声は聞けなかったが、代わりに圧倒的な芳香が俺の鼻を襲った。汗と石鹸と、沙弥の甘い体臭。それに、アソコから滲み出してくる愛液の、熟した果実のような匂い。それらが渾然一体となり、痛いほど俺を勃起させた。
『上半身でこれだけ匂うのなら、アソコに鼻を近づけたら、どうなっちまうんだ?』
そういえば、夜這いのマンガによく使われる性技で、まだ試していないのがあることを思い出し、俺は沙弥の下半身の方に移動すると、パンティを脱がせた。
まだ脚を開かせて挿入するには、濡れが不十分な段階だったが、沙弥の方にも早く終わらせたいという気持ちが強かったのか、抵抗はしなかった。
両膝を立てさせ、アソコのワレメを凝視していると、沙弥が「あんまり見ないで。恥ずかしい…」と言った。
見ないでと言われても、月明かりのみなのでよく見えない。まるで花に誘われる蝶のように、俺は匂いを頼りに口をそこに近づけ、しゃぶり着いた。
「ひゃあっ!ダ、ダメぇ…そこ、舐めないで!いやぁ!」
沙弥は激しくイヤイヤをしながら両手で俺の頭を押し退けようとしたが、そんな抵抗もすぐに収まり、俺の額に手を添えて、舌の動きに合わせてビクッ、ビクッと反応するだけになった。
愛液が、止めどなく流れ出てきて、俺の口の周りをビショビショにした。
『そろそろだな。今日こそは!』
いくら胸なめや手マン、クンニで感じさせても、沙弥が心で俺を拒んでいるのは分かっていた。だが『ひとつになる』時に、一緒に気持ちよくなれれば、受け入れてくれるのではないか?その時の俺はそんな淡い期待を捨てきれずにいた。
ゆっくりと挿入し、奥まで届かせる。
「まだ痛いか?」
「ちょっと…押されて苦しい…」
「これでどうだ?」
俺はゆっくりと出し入れを始めた。
「んっ…」
沙弥は顔を背け、目を瞑り、次第に呼吸を荒くして行った。
「気持ちいいのか?」
沙弥は慌てたように、大きく首を横に振ったが、感じ始めていることは明らかだった。
『やった!沙弥がチンポで気持ちよくなってる!』
そういえば、夜這いのマンガでは、男がピストンを始め、女が感じ始めると「イク!イクぅ~」などと叫ぶ場面がよく出てきた。女が『イク』とはどんな状態なのか、マンガではよく分からなかったが、『このまま動き続ければ、沙弥もイクのだろうか?』そんなことを考えながら夢中で動いている内に、残念ながら抑え切れない射精感が来て、あっさり発射して果ててしまった。
俺が脚の間から退くと、沙弥は最初の時と同じように、俺に背を向けて横向きになったが、まもなく肩を震わせて嗚咽し始めた。
「あたし…こんなに恥ずかしい所いっぱい見られて…もう他の人のこと、好きなんて言えない…」
沙弥に他に好きな男子がいることは知っていた。
このセリフ。俺に汚されたせいで、そいつへの想いを諦めなくてはならなくなった…という恨み言にも、もう他の男との恋愛はできないから、責任を取ってくれ…という意味にも取れた。
俺は勝手に都合のいい方に解釈した。
沙弥の背中のすぐ横に座り、耳元に口を寄せて「お前はもう俺の物だ。一生放さねぇからな」と言ってやった。
それに対し、沙弥は、いいともいやとも言わなかったので、この俺の言葉をどう受け止めたのか、分からなかった。
今も、分からないままだ。
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