俺が反射的に顔を上げると、自分の胸を見下ろしていた沙弥と、真正面から眼が合った。
「ケンジ…くん?」
オドオドと問いかける沙弥に、なんと答えていいか見当も付かなかったので、俺はそのまま顔を伏せて愛撫を続行した。
「あ…いや!ケンジ君、なんでこんな…だ、ダメ!いやぁ!」
沙弥の声が次第に大きくなるので、俺は脅すように
「親父を呼ぶのか?」と聞いた。一瞬黙り込む沙弥。
「呼んでもいいぞ。殴り殺されるかも知れないが、その前に娘がおっぱいをしゃぶられてる所を見せつけてやる!」
すると沙弥はギュッと目をつむり、大きく首を横に振った。
沙弥の親父は、村内でも因業で知られる男だった。気に入らない事があると、相手が誰でも、女子供でも、すぐに手を上げるので、特に村の若者や子供たちからひどく嫌われ、怖れられていた。それは、実の娘の沙弥にとっても同じだったのだろう。沙弥には何の落ち度もなくても、屋敷の中で男とセックスしていたというだけで、どんな目に合わされるか…
だが、沙弥が親父に知られる事を恐れてくれたために、俺はこの夜這いをうまくやり遂げることができた。
沙弥は大声で助けを求めることはしなくなったが、だからといって簡単に抵抗を諦める訳がない。この時沙弥には他に好きな男がいたのだし、そうでなくても処女だったので、セックス自体、たまらなく怖くて恥ずかしいことだったのだろう。
必死に左右に身体をよじって俺の口から乳首を遠ざけようとするが、俺はそれを追いかけて、また口に含んだ。すると沙弥は、肘と踵を使ってずり上がり、布団の外に逃げようとした。俺はその細い腰に抱き付き、力任せに布団の上に引き戻し、両肩を上から押さえつけた。
「そんなに俺とするのはイヤか?」
「……」
「景子に言ったんだろ?俺の視線が迷惑だって」
「め、迷惑だなんて…」
「俺から告白されたら困るって、景子に言わなかったか?」
俺がそう言うと、沙弥は目を反らした。
『やっぱり!本当だったんだ!畜生!』
片思いが叶わず、フラれるのは仕方ないが、告白もしない前から俺の想いを迷惑がり、友達に相談するなんてあんまりだ!俺は逆上し、思い切り意地の悪い言い方で
「告白なんてしねぇから、安心しろ!その代わりが…これだ!」
言いながら平帯の下の寝間着の裾を広げ、いきなりパンティの中に右手を突っ込んだ。
「あっ!ダメ!そこは…やめて!」
言いながら、沙弥は乳首を俺の唇から避難させることを諦め、両手で俺の手首を掴んでパンティから引っ張りだそうとした。
俺はその右手を強引に引き剥がし、更に奥へと、初めて触れるワレメの襞の中の探索を進めた。
「け、ケンジ君!ごめんなさい。あたし…ちゃんとお話聞くから。聞いて、ちゃんと考えて、お返事するから。だからお願い、もう赦して…」
『何をいまさら!』
俺はこの沙弥の言葉にも、強く反発した。
いまさらこの強姦を中止して、そのあと告白したところで、沙弥からいい返事がもらえるとは思えない。まして俺は、彼女にこんな酷いことをしてしまった後だ。沙弥を俺の物にするには、このセックスを最後までやり遂げるしかないんだ!
俺は沙弥を黙らせるため、マンガで学習した、例の器官を探した。それは、処女の少女の場合、とても小さいらしい。
ひとつ深呼吸をしてから、内側の襞の隙間を、爪の先で下から上へ押し開きながら、ゆっくりとなぞって行くと、一番上端まで進んだところで突然沙弥が
「んっ!」と叫んで大きく跳ねた。
『これか!クリトリス!』
俺はその豆粒を、一心不乱に責めた。指先の動きに合わせて沙弥の身体が、釣り上げられた若鮎のように激しく跳ねる。
「そ、そこ!それ!弄っちゃダメ!何にも考えられなくなっちゃう…」
そう聞かされては、尚更止める訳には行かない。俺は指先に全神経を集中し、更に速く、細かく動かした。
「ああっ!ケンジ君、イジワル!キライ!んっ!」
そう言いながらも、俺の手首を掴んだ沙弥の手から、見る見る力が抜けていく。
『こ、これが、我を忘れるってやつか?すげえ!このままもう少し気持ちよくしてやれば…』
だがその時、俺は自分のチンポの異変に気づいた。握っても触ってもいないのに、勝手にビクンビクン動いて、今にも射精しそうだった。童貞だった俺には、沙弥が感じまくる姿は刺激が強すぎたらしかった。
当時の俺の精力なら、ここで1回出したとしてもすぐに回復して挿入できただろうが、さすがにそれはやった事がなく不安だったのと、沙弥に、挿れる前に出してしまう情けない姿を見せたくなかった。
俺は急いで沙弥のパンティを脱がせ、脚を広げさせて挿入の体勢になった。
それに気付いた沙弥は慌てて脚を閉じようとしたが、一瞬遅い。チンポの先とワレメが数センチまで接近した所で
「ダメ!それだけは…赤ちゃんができちゃう!」
これにはさすがに一瞬怯んだが、保健体育で習った知識を総動員し、
「女の排卵日は、月に一度だけだろ?今日がその日なのか?」
と聞いた。
「…分かんない…」
「じゃあ、確率は30分の1だな?それで妊娠するなら、俺達は運命で結ばれてるってことだ」
「そ、そんな…やめて!こわい!おねが…いっ!痛っ!いやぁ!」
沙弥がやめてと懇願する間に、挿入が始まった。月明かりの中、まだ半分外へ出ている陰茎が、赤く染まっているのが見えた。
「痛い!痛いよぉ!お願い抜いて!」
沙弥の苦痛を訴える声が結構大きいので、俺が脅すように
「親父がくるぞ!」と言うと、沙弥はハッとして、声が漏れないように寝間着の袖を口にくわえた。
「うっ!ぐっ!ううっ!」
先端が子宮口まで到達した後、俺がゆっくりとピストンすると、再突入の度に沙弥が苦しそうに呻いた。
『おかしいな?』
俺は焦った。納屋で見つけたマンガには、夜這いの本以外にも、JCやJKの処女が犯される場面がいくつも出てきたが、それらの処女はみな、挿入時には出血して痛がるが、ピストンされている内に苦痛が快感に変わり、最後は感じまくってアンアン喘いでいた。
『あれは、マンガの中だけの作り話だったのか?このままじゃ、沙弥を虐めただけで終わっちまう!』
そう思っていても腰は止まらず、射精感は止めどなく高まって行き…大量に射精し、俺の初体験は終わった。
射精した途端、激しい罪悪感。
前戯の時はともかく、挿入で沙弥に快感を与えられなかったこと。
何より、力づくで犯したことで、沙弥との関係を決定的に壊してしまったこと。
これからも、快楽に溺れさせて身体の関係を続けることはできるかも知れないが、純愛に戻ることは不可能だろう。
だがそれでも当時の俺は、女の前で謝ったり、後悔の言葉を口にしたりすることができない。
イキがって、悪ぶって、沙弥に向かって
「ああ気持ちよかった!ありがとうな!」と言ったが、沙弥は俺に背中を向けて横向きになり、返事もしない。
せめて、『ひどい!何でこんなことするの?』と非難してくれれば、言い訳もできたのだが。
仕方なくズボンを履くと、「じゃあな!」とだけ言い捨てて、沙弥の屋敷を後にした。
※元投稿はこちら >>