挨拶が終わって、三人でお父さんの病室を見舞う事になった。
応接を出て病棟に向かう・・・。
(しかし、子供を産んだとは思えない位良い女だ・・・この女が俺の物になるのか・・・それに
ちさとちゃんも負けず劣らず・・・ぐへへ・・・)
思っている事が顔に出る様ないやらしい視線を感じる・・・。
エレベーターを降りるとお父さんが居る病室。
生命維持装置のおかげで呼吸が補助されて生命を維持し、心電図の音が、お父さんの心臓が活動している事を伝えている。
しかし、意識は戻らず徐々に心音は弱々しい音を奏でていた。
『森高先輩・・・しっかりして下さい!・・・奥さんやちさとちゃんを置いて行けないでしょう・・・』
賢治は心にもない事を言っている、本心では・・・
(さっさと逝っちまえ、後は俺に任せてなあ・・・)
『倒れてから、なにも反応は無いんです・・・私でもちさとにも・・・』
『そうですか・・・でも、安心して下さい、うちの方からもスタッフを来させます、奥さん達は無理をせず
私にお任せ下さい・・・もう心配しないで、ちさとちゃんも・・・ね』
私も、お母さんもゾクッとした、お父さんが意識がないとは言え、この男を信じて良いのか・・・・。
その日から賢治は通いで勤務する事になった、理事長代理としてお母さんの執務室を使う事になった。
お母さんはお父さんの看護もあり、看護士に戻っていた。
賢治は理事長代理として精力的に事務をこなし、理事長としてのお母さんの権限を制限する。
賢治の連れて来た事務員もドクターも看護士も今迄不足していたものが揃い病院の経営は立て直されていった。
元々何の問題も無かった所に、賢治の病院が吸収合併を狙って仕掛けた事、まんまと嵌められて行くのだった。
ほぼ、病院の経営を掌握した賢治は、その矛先を私達家族に向けて来る。
病院の経営から外れるか、このまま自分の言う事に逆らわずに服従するかと迫って来たのだった。
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