『ちさとちゃん・・・早く朝ごはん食べちゃいなさい・・・』
キッチンで朝ごはんの用意をしているお母さんはいつもと変わらない・・・。
昨夜の事など幻の様に思えている、しかし、そのそばには高山先生が居る・・・。
やはり、あの悪夢は現実なのだと思い知った・・・。
私は気付かないふりをしなければならない、それはこの家で生活して行くには
やむ得ない事でも、何だか良く判らない・・・どうしてこんな事になったのか・・・。
私はキッチンのテーブルに腰掛けた。
『おはようございます・・・』
『いやあ、ちさとちゃん・・・おはよう・・・そんな他人行儀な挨拶は嫌だな・・・
急にお父さんなんて呼べる訳ないよね・・・僕は待ってるから・・・ね・・・』
『ちさと・・・ちゃんとご挨拶しないと・・・ねえ・・・あなた・・・』
やはり、お母さんはおかしい・・・私は昨夜の事が思い出される・・・。
パンをかじりながら、席を立った・・・。
『ごちそうさま・・・学校行くね・・・』
私は自分の部屋に帰って、学校に行く用意をしている・・・。
パジャマを脱いで、学校に行く用意をしていると、何だか視線を感じていた。
部屋の鍵も掛けられない状態だったのを忘れていた・・・。
ドアーの隙間から高山先生のギョロリとした目が、振り向き様に逢ってしまう・・・。
『きゃあ!・・・なんですか?・・・あっちへ行って・・・』
『いやあ、なんだか気分でも悪いのかなって・・・見てあげようか?・・・』
『いえ・・・結構です・・それより覗くなんて失礼です・・・』
『心配なんですよ・・・ちさとちゃんの事が・・・本当に調子が悪いのだったら病院に寄ってね
最優先で見てあげるからね・・・』
全く善意を感じなかった・・・。
朝から気持ちが悪くなる・・・、しかし学校に行く時間だ・・・仕方なく家を出た。
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