おじさんは、昔のように後部座席に私を座れせた。
幼稚園バスのマイクロバスと違う室内、現場の作業員達を乗せる為の車。
室内には肉体労働者の放つ汗臭い臭いがしていた。
おじさんは、あの公園で現場作業員の送迎をしていたんだった。
その時偶然、私を見つけていた。
卒園してから三年たち、自宅周辺の小学校に行かなかった私をおじさんは
ロストしていたのだった。
そんな私が、おじさんの前に姿を現せてしまたのだった。
『ちさとちゃん、またおじさんにパンツ売ってくれないかな?・・・』
唐突に発せられたその言葉は、過去の記憶を呼び起こす。
このおじさんに下着も園児服、体操服まで売っていた事を・・・。
おじさんは、また売って欲しいと言っている。
お小遣いをもらえた記憶だけが蘇る・・・・。
『うん・・・いいよ・・』
私はうつむき加減で返事をする。
車窓から見える景色は、私の家に向かっている。
私は今年からスマートフォンを買って貰っている。
家族の連絡や非常時に電話を出来る様に買って貰ったものだ。
おじさんはそれに気付いている。
『ちさとちゃん、おじさんもスマホ持ってるんだ、良かったら
LINEしないか?』
学校ではLINEの交換など誘われた事はなかった。
みんなしているみたいだったが、両親以外の相手は居なかったのだ。
私は言われるままに操作して、おじさんとLINE交換してしまう・・・。
その日からおじさんとのLINEでのやり取りが始まった。
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