愛菜香を抱きしめ、長いキスをしながら、私の手は『自然な流れ』のつもりで彼女の左の乳房をトレーナーの上からさわり始めた。
今思えばやはり、過労と睡眠不足で判断力が落ちていたのだ。ついこの間まで小学生だった少女にとって、キスと、身体を触らせることの間には大きな隔たりがある。なのに…
愛菜香は私の唇の下で
「んっ?ん~っ!」
と呻き出した。
私が慌てて彼女の身体を放すのと、愛菜香が
「いやっ!」
と叫んで私を押し退けるのと、ほぼ同時だった。
「ゴ、ゴメン!なにやってるんだ僕は!教師のくせに、こんな!」
愛菜香は私に背を向け、自分の両腕を抱きしめるようにして震えていた。
「…今日はもう、帰った方がいいね。送って行くよ。」
私が言うと
「…ゴメンね。先生に触られるの、イヤじゃないよ。でもあたし、ガキだからそこまでのカクゴできてなくて、ビックリしちゃって…」そう言って、ラジオ体操のような深呼吸をしてから私の方に向き直り
「もう大丈夫。触っていいよ」
両手を後ろに回して胸を張り、目をギュッと瞑った。
本当はすごく怖いのだろう。なのに無理して大人の私に合わせようとしてくれている。そんな愛菜香の想いがたまらなく愛おしく思えて、私は改めて、彼女を抱き寄せた。
「愛菜ちゃんの気持ち、とっても嬉しいよ。僕も愛菜ちゃんが好きだ!こんな年で、教師なのに、君のこと、女の子として見ちゃってる…」
「トシは関係ないって言ったじゃん」
「ありがとう…でも、今日はここまでにしよう。気持ちが通じ合ったんだから、急ぐことないよ!」
私がそう言っても愛菜香はしばらくためらっていたが、やがてコクンとうなづいた。
その後も、まだしばらく抱き合ったあと、愛菜香を家まで送って行った。
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