「い、いや..!わ、私ったら、こんな..!」
色々な恥ずかしい記憶、感情が交差して、愛美は思わず取り乱し、湯船の中で急に立ち上がろうとしたが、遥の心配したとおり、立ったとたんに頭がくらっとなって倒れ掛けた。
素早く立ち上がった遥が、両手で抱き抱えるようにして、愛美が転倒するのを防ぐ。
愛美は遥から、ぎゅっと抱き締められたようになった。
裸で、男の子から抱かれている..。
そう思ったら、愛美の心臓が爆発しそうになった。
恥ずかしい!恐い!
あの鬼畜だった父親から襲われていた日々の、暗い記憶が蘇る。
愛美は両手を振りほどこうと暴れかけた。
しかし、今自分を抱き締めている男の子は、あの汚く下品な父親とは違い、そんな抵抗する愛美に罵声を浴びせたり、いきなり殴ろうとはしなかった。
抱き締めた両手の力は弱まらないが、優しい暖かい声で、
「君..、大丈夫だよ..。
落ち着いて..。」
と聞こえた。
抱き締め方も、とにかく強く締め上げるのではなく、背中と腰に当てられた手のひらは、小柄な愛美の身体を包み込むように優しく触れていた。
その男の子の身体は、引き締まっていながら張りのある柔らかさ、細やかですべすべした毛深くない肌、そして何より愛美にとって芳ばしく感じる身体の匂いがした。
愛美の嫌な記憶には無い感覚だった。
そのまま数分間、裸の男の子はじっと湯船の中で、立ったまま女の子を優しく抱き締めてあげていた。
「そうそう..。落ち着いた?
うん、じゃあ手を離すからね。」
優しく言うと、本当に男の子は手を離してくれた。
あっ、本当に逃がさないために、捕まえてたんじゃないんだ..。
愛美は、ごく近い距離から遥を見た。
本当に..、きれいな男の子..。
こんなきれいな男の子が、私の汚いところを、あんなに丁寧に優しくしてくれたの?
信じられないよ..。
愛美は、恥ずかしいと言う感情を置き忘れたかのように、自由になった手で身体を隠すこともせず、じっと自分を天国に連れていってくれた天使の顔を見ていた。
しばらくして、愛美の口から言葉が出た。
「なぜ..、私をあんなに..、気持ちよくしてくれたの?」
天使はちょっと困ったような顔をしたが、直ぐ
「最初はお母様から言われたから。
でも..、途中から、君があんまり可愛かったからかな..」
「うそ..。
だって貴方..、ずっと私の汚いところに顔を埋めてたじゃない。」
「うん。
でも、君の声も、息づかいも、僕が口でしたら、それに応じて可愛く反応してくれてたよね。
それがとっても可愛くて..」
「貴方..、汚いって思わなかったの?
私の一番汚いところを、あんなにしてくれて?」
「思わないよ。
お母様は、男も女も身体中汚い所なんか無いって教えてくれたよ。
君の割れ目ちゃん、鮮やかなピンクでとってもきれいだったし。」
あっ、私のあそこ、この男の子もきれいって言ってくれるんだ..。
実の父親から犯され、いやらしい道具でもいじり回された愛美にとって、自分のそこは汚された醜い部分と言う思いがあった。
それを可愛いと言ってくれたのは、レズと言う形ではあったが、冴子お母さんだけだった。
それを、この天使のような男の子も、同じことを..。
愛美は、つい泣き出してしまった。
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