翌週、愛美は母の冴子と二人で再び雅代の家に招待された。
玄関が開くと、そこに愛美は天使のような美少年を見た。
その天使は礼儀正しかったが、愛美に対して全く感情を見せなかった。
愛美は恐かった。
たとえ見た目が天使でも、父親と同じ男には違いない。
女に暴力を奮って従わせる野蛮な種族。
愛美にとっては、招待主の雅代の養子と言えども、遥も野蛮な男のはずだった。
円形のテーブルを囲んで、四人でハーブティーを飲みながらの会話の筈だったが、愛美と遥の間には何の会話も無い。
二人とも、相手の養母が、自分の養子の事を自慢気に話すのを聞くだけだった。
しかしそれで愛美は、自分の向かい側に座る美少年が、学校では成績優秀、剣道部では地区の新人戦に優勝、男子問わず多くの先輩後輩にも人気があると言う、とても自分のような父親から犯され汚された女の子が話が出来るような存在では無いことが分かってきた。
無表情を装いながら、愛美は「お母さん、何故こんな男の子と私を会わせたの..。」と心の中で情けなさで泣きそうだった。
遥も、無表情なのは同様だった。
ただ、目の前にいる少女が、普段学校等で顔を会わせ遥に自分をアピールしたがる少女達と全く違う存在、自分と似た匂いがするという気配は感じていた。
突然、雅代が自分の息子に言った。
「遥。私はお前に、この愛美ちゃんと付き合う事を命じます。
ちゃんと面倒を見てあげなさい。」
聞いていた愛美の方が驚いた。
「あっ、あの..」
と狼狽するところに、今度は自分の母親である冴子から言われた。
「愛美。私と同じように、私の親友の雅代に全てを見せる事が出来たんでしょう。
遥ちゃんは、雅代の息子よ。
遥ちゃんとのお付き合いは、お母さんの命令です。」
そこに、遥と愛美の自由意思は無かった。
「あの、お母さん..。男の子とのお付き合いってどうしたら..?」
戸惑う愛美に、冴子はこう言った。
「これから既成事実を作るわ。
愛美。最初は辛いと思うけど、私の命令。
耐えてちょうだい。
それが、私の望む形なんだから。」
お母さんが、はっきり命令と仰った。
わかりました。
愛美は、どんなに恥ずかしくても、辛くても、運命に従います。
愛美は冴子の命令に従い、素直に三人の前で裸体になった。
きっと、この天使みたいな男の子に犯されるんだろうな..。
私の汚れたあそこが、また滅茶苦茶にされるんだろうな..。
でも、お母さんがそれを見たいのなら..、それを見て嬉しいのなら..、私嬉しいな..。
全てを脱いで、胸と下を両手でそっと押さえるように隠した愛美の身体は美しかった。
遥は、そう感じた。
もっとスタイルが良かったり、顔の作りが可愛い女の子は何人も見ているが、目の前で裸になった少女はそれとは違っていた。
そんな遥に、雅代も裸体になることを命じた。
遥も無表情のまま、自分の身に付けていた学生服を脱いでいく。
やがてそこに、全裸の思春期の男女二人が立っていた。
「遥。愛美ちゃんを抱き締めて、キスしておあげ。」
遥は母親の命じるとおりに、愛美に近寄ると、その身体に両手を回してぎゅっと抱き締めた。
愛美は目と心を閉じようとしたが、抱き締められた時に感じた男の子の体臭は、かつて愛美を犯して汚した父親のものとは全く違う、一言で言えば良い薫りだった。
これまで何度も抱かれている母親冴子の体臭も優しくて大好きなのだが、それとはまた違う好ましい薫りだった。
男の子からのキスも初めてなのに、自分は心を閉ざしてると念じてるせいか、嫌悪感が無かった。
雅代が息子に聞いた。
「どう?女の子の身体?」
愛美を抱きしめたままの遥が答えるのが聞こえた。
「女の子って..、細くって、か弱いんですね..」
また雅代の声がした。
「そうよ。だから、優しくしてあげなさい。」
心無しか、遥の腕の力が弱まり、愛美はわずかに身悶えした。
すると、二人の接してる肌が擦れ、繊細な感覚を覚えた。
温かい..。
柔らかくて、心地よいな..。
良い香りだ。
と遥は感じたが、愛美はもう少し複雑だった。
「まだ私と同じ思春期なのに..、男の子って..、強い..。」
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