愛美はセーラー服上下を脱ぐと、それまで自分の座っていた椅子にそれを掛けた。
下はキャミソールではなく、全く装飾のない白のスリップなのが珍しい。
そのスリップは、上に上げず、肩紐を外して床に落とした。
あとは白のジュニアブラと子供用のショーツだが、今日見られることを意識してか、新しい物のように思えた。
「下着、新しいのね。」
雅代が言うと、愛美は緊張で掠れたような声で
「お母さんが..」
と答える。
冴子、本気なんだわ..。
でも、この子は..?
白のソックスも脱ぎ、ブラとショーツだけになった愛美の顔は真っ青だった。
もう、赦してあげようかしら..。
雅代も何度かそう思ったが、もう良いわよの一言が出なかった。
初めて会う他人の前で、母親の命令とは言え裸になる少女の姿は、可哀想だが新鮮で興味深かった。
そこに自分の息子との共通点があれば、なおさらだった。
雅代は椅子に座ったまま、目の前で行われてる中2の女の子のストリップを観賞し続けた。
ブラを外す時、一度愛美は後ろを向き掛けた。
しかし、自分の意志で思い直したのだろう、また雅代の方に向き直すと、収縮性のあるブラを胸から外した。
乳房は、まだふっくらとした膨らみになっていない。
まだ乳首を中心にした、低く尖ったような形だった。
美しいとかいやらしいとか言う前に、痛々しいように見えた。
冴子は、こんな胸を弄ってるんだろうか?
ちょっと強く触っても痛みを感じるだろう。
乳首の色も、まだ周囲の肌とあまり変わらない程薄い。
しかし突起となってるからには、ブラかカップ付きのキャミソールでも着ておかねば、服の布地で擦られて痛みを感じるに違いない。
雅代の視線は、愛美の乳首に突き刺さるように注がれた。
愛美もそれを意識してか、やはり両手で胸を隠し掛けたが、健気にもそれを止め、両手をショーツの両脇のゴムに掛ける。
ああ..、それも脱ぐのね..。
本当は、死ぬほど恥ずかしいんでしょう?
女とは言え、冴子のレズビアンの明いても務めた私だもの。
いやらしい視線を注いでるって意識されても仕方ないわね。
愛美はショーツのゴムを下げようとしたが、その意志に反して、手は割れ目が見える直前で止まってしまった。
雅代は、愛美が呻くのを聞いたような気がした。
それは泣き声なのかもしれない。
「くっ...」
と唇を噛み締めたままで、小さく口から出だ声だった。
やっぱり限界ね..。
雅代は息子への数々の責めや愛撫から、自分は相手の肉体的精神的な限界を察知するようになれたと思ってた。
明らかに、今愛は精神的に限界に来ている。
普通の女の子なら、大声で泣き出すことで恐怖や緊張を外に発散するが、この子は内に秘めたままで、多分気を失うのではないだろうか?
下手をすると、その時に昏倒したり身体をひきつらせたりしかねない。
「もう、良いわ。」
雅代が声を掛けた時、まさに愛美は気を喪い掛けていた。
雅代の声を聞くと、ばたんっ、とそのまま于かに座り込んでしまったのだ。
ああ、これから声を出して泣くんだろうな。
まあ、この子がどんな子供かは十分に分かったわ。
二人が付き合うかどうかはともかく、遥のお友達にしてあげる価値はある子ね。
さあ、冴子に迎えに来るように連絡しようかしら。
雅代は座り込んで愛美を見守りながら、そんな事を考えていた。
ところが、一度倒れ掛けた愛美は、泣き出さずに立ち上がったのだ。
「申し訳ありません。
このくらいで、ふらふらして..」
そう言うと、また真っ直ぐ立ってから、今度はためらいなくショーツを下ろしてしまったのだった。
脱いだショーツを椅子に掛けたスリップの下に隠すように置くと、愛美は胸も前も隠さずに、すくっと雅代の前に立って全裸を晒した。
「あっ..」
不覚にも、雅代は心の中の感動が口に出てしまった。
不思議な美しさ、可愛さと言うべきか?
遥のような完璧に近い美しさと全く反対の、未熟でアンバランスな裸体なのだが、内から滲み出るような未完成の美しい女らしさが見えてくるようだった。
表現も初めて裸になった時、遥は無表情でいることを意識していたが、愛美は自分が羞恥していることがはっきりと顔に現れている。
その羞恥を意思の力で押さえつけている健気さもだ。
「いいわ!貴女は良い子!」
雅代は椅子から立ち上がると、立ちすくむ愛美を抱きしめた。
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