その週末。俺とYは個室のある居酒屋で呑んだ。呑み会を装い、実際はロリコレクションの見せ合い、譲渡会だった。
画像や動画集めより痴漢に夢中になっていた俺に比べ、Yのコレクションは素晴らしく、マニア垂涎と言ってよかった。
Yは、それらを入手した時の苦労話など聞かせながら、ふと思い出したように
「実はもう一人いるんだよ。社内に」
と言った。ロリコン仲間が、という意味だろう。
「ちょっと単純なところがあるが、口は固い男だ。ここへ呼んでいいだろうか?」
ロリ趣味はそれ自体、他人に知られることは非常なリスクを伴う。だが、ずっと孤独だった俺にとって、仲間が増えるのは嬉しかった。俺は承諾した。
30分程で現れたのは、同じ会社の総務部に在籍する、Mという男だった。面識はあったが、プライベートで話したことはそれまでなかった。
Mも、手土産にYとは系統が違う画像を持ってきてくれたので、俺のコレクションはその夜一気に増えた。無論どれも、持っているだけで違法になる代物だ。
その返礼に俺は、それまでにN能研少女に痴漢を挑み、成功した時の話を多少脚色してふたりに話してやった。Mはその話に夢中になった。そして
「なあ、同じ趣味の仲間が3人そろったんだから、アレできないかな?」
と興奮気味に言った。
「アレって?」
「カコミさ」
Mの言うカコミとは、電車痴漢で、複数の男がグルになって一人の女を取り囲み、他の乗客から見えないようにしながら触りまくること。AVならSODの痴漢○人隊などが有名だ。
「そりゃあ、AVの見すぎじゃねえか?」
俺が半笑いで言うと、Mはがっかりしていたが、それまで黙って聞いていたYが
「いや、綿密な情報収集と作戦があれば、あるいは…」
と言い出した。
俺とMはギョッとしてYを見た。
この男は、ハッキリ言えば俺やMとは比べ物にならないほど頭がよく、常に冷静。そのYが、『可能性がある』と言っているのだ。俺たちは真顔になり、Yの話の続きを待った。
Yはメモ用紙を取り出し、一番上に《調査項目》と書いた。
○ 顔写真
○ 名前
○ 性格(騒ぎ立てそうか?)
○ 単独行動有無
○ 降りる駅
これだけをスラスラと書いて、説明に移る。
「N能研に通うJS高学年で、この路線を使う。せいぜい20人程度だろう。3人で調べ尽くせない人数じゃない」
俺たちが頷く。
「名前は、分からなくても、こっちで適当に付けてもいいな。俺たちの間で、どの子のことか共通認識できればそれでいい。
一番大事なのは、車内でひとりになる時間があるか、だ。いくらかわいくても、降りるまでずっと友達と一緒じゃ、3人で囲むのは不可能だ」
Yが言う意味は、3人で手分けしてこれらの情報を集め、最もカコミ痴漢をしやすい子を何人かリストアップする、ということだった。
理屈は分かるが、俺は自分の経験から、一番重要で調査しづらいのは『性格』じゃないか?と思えた。
JKとかならともかく、10歳や11歳の女児が大人の男3人に取り囲まれたら怖いだろう。おとなしそうに見える子でも、パニックを起こして泣き出すかもしれない。逆に社交的な子でも、羞恥心が強いと、自分が性被害にあっていること自体周囲から隠そうとする。それを、平時の行動や友達との会話から推測することができるのだろうか?
俺の躊躇いが伝わったのか、Yは
「とりあえず、調査対象が何人いるか、調べてみるか?一週間くらいで」
と提案した。3人でそれぞれ担当の車両を決め、そこにいるN研少女を無音カメラで手当たり次第撮影する。それをYのパソコンに取り込むと、顔認識ソフトで重複している顔を整理し、少女ごとのファイルに分けてくれるらしい。
俺とMは、その話に乗ってみることにした。
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