紗奈は自分の呼吸が自然に荒くなっていくのが分かった。
兄の言葉が続く。
「外で裸にされるって、人から見られて恥ずかしいとかだけじゃないんだぞ。
もう大分涼しくなってきたけど、裸だと寒いかもしれないし、硬い草とかで肌が擦られて痛いかもしれないんだぞ。」
あっ、あの時..、お兄ちゃんが話してくれた..。
私を雪の中、裸で縛って歩かせるって..。
「水着持って来いって言っただろ。
俺、お前をこんなに涼しくなってるのに、きれいな谷川の水に浸けたいって思ったんだ。」
谷川の水、きっと冷たいんだろうな..。
「もし、もし本当に人がいなかったら..」
貴雄も話ながら興奮して喉がカラカラになった感じがした。
「お前を、裸で水に浸けたい。
そして、裸で草原や山を歩かせたい。」
紗奈は、そうされてる自分の姿を想像すると、もう息苦しいほどになった。
「どうだ?
そんな恥ずかしくて辛いことを、俺からされるんだぞ。
お前、耐えられるか?」
兄から言われて、紗奈はまたゴクンと生唾を呑み込むと、答えた。
「お兄ちゃん。して!」
貴雄は華奢な妹を、自然の中で裸にしたい、と思った時から、それを実行するのに相応しい場所を探していた。
そして見つけたのが、車の通る山道からさらに林道に入ったこの場所だった。
車を停めたのは、大きな杉の木と孟宗竹の林に囲まれた空き地だった。
紗奈は兄から言われて、車の中でスクール水着に着替えてから、車から降りた。
標高が高いせいもあって、さすがに水着では肌寒いくらいだった。
紗奈は当然の事だが、プールや海水浴場等、水着が当たり前の場所でしか水着姿になったことはなかった。
人里離れた山の中で、無防備な水着姿。
なんだかとても、自分が弱々しく頼りない存在に思れた。
半裸が男性の目に触れて恥ずかしい、襲われるかも、とかと違っていた。
私、この荒々しい自然の中で、お兄ちゃんから責められるんだ..。
自然の中で裸になること自体が責めなんだ..。
賢い紗奈は、そう理解した。
紗奈はスクール水着姿で、兄に連れられて付近を歩かされた。
竹の林の中は、下にきれいな黄色い竹の葉が、敷き詰められたように広がっていて、そこで紗奈は兄の言うとおりのポーズを取ってスマホでその水着姿を撮影された。
適度な間隔で生えている青竹と、竹の葉が敷き詰められたきれいな地面は、そこに横たわっても全く清潔で、いやらしい気持ちに興奮してた紗奈は、かえってその清々しさに落ち着かされたような気持ちだった。
しかし、その先の杉林に入ると、様子は一変した。
地面は日が差さずにじめじめし、生えている杉の太い幹は荒い樹皮に覆われている。
この木に縛られたら、きっとこの皮が肌を刺して痛いわ..。
紗奈はそう考えたが、貴雄はまだそこでは紗奈を縛ることはしなかった。
さらに進むと、杉の木の間から、向こうの開けた空間が見えてくる。
見通しが良くなったわ..。
もし、誰か居たら、私、見られちゃうかもしれない..。
場違いな所での水着姿の紗奈は、それが不安だった。
やがて二人は、杉の林が途切れるところまで来てしまった。
その先は、草原だった。
膝丈くらいの青草がずっと生えている中に、人間が歩いて出来たらしいた踏み分け道があった。
遠くからでも、見られちゃう...。
紗奈は思わず、両手で水着姿の自分の身体を抱き締めるように隠そうとした。
「さあ、この道を降りて。
その先に谷川があるから、紗奈はそこで水に浸かるんだ。」
兄の声は、いつもの優しさが無くなり、冷酷な響きに聞こえた。
「でも、お兄ちゃん。
もし、もし誰かいたら..」
弱気になった紗奈は、こう兄に言った。
貴雄は、
「だから、今はまだ水着を着せてあげてるんだ。」
と答えたから、紗奈は
「もし、人がいたら、水着脱がなくて良いんだわ..」
と少しだけ安心した。
しかし、兄の次の言葉はこうだった。
「人が居たら、最初から裸はまずいけど、やがては脱いでもらうから」
えっ?
お兄ちゃん、私の裸、他人に見せるつもり?
そんな、こんなことって無いよね。
「紗奈の可愛い裸だけだなく、縛られた姿も見せてあげたら、喜ぶぞ。」
紗奈は、いやらしい興奮が冷め、これまで信頼して頼りにしてきた兄が、恐ろしく感じ始めた。
変態なエッチって..、恐いものだったんだ..。
お兄ちゃん、いつもの優しいお兄ちゃんに、戻って..。
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