翌日から私は、おばさんの畑仕事を手伝った。
ちょうど夏野菜の収穫の時期だったので、ナスとかキュウリとか、重くない野菜を切って、カゴに入れて行った。
体力のない私を気遣って、おばさんはちょくちょく休憩を取り、冷たい麦茶を飲みながら色んな話をしてくれた。
おばさんがこの家にお嫁に来た頃の話や、おじさんとのなれそめ、翔さんが小さい頃の失敗話など。
私の方も、東京での暮らしや、母への不満、学校で面白かったことなど、聞かれるままに話した。
おばさんに好きな男の子のタイプを聞かれた時は、思わず翔さんと付き合っていることを告白しそうになった。なんとか止めたが、多分おばさんは、この時にはもう気づいていたんだと思う。
私は、おばさんのことがどんどん好きになり、畑仕事も、毎日できることが増えて行くのが楽しかった。
だから、夏休みが終わりに近づいたある日、おばさんに
「来月からも、週末はこの家で過ごさせてください。私、畑仕事のこと、もっともっと覚えたいです。」
と言って頭を下げた時も、偽りない気持ちで言うことができた。
するとおばさんは、
「こんな田舎の野良仕事を、はるちゃんまで気に入ってくれるなんて…」
と涙を流して喜び、その日のうちに母に長電話をして、許しを得てくれた。
こうして、私の週末農園ライフが始まった。
金曜日学校が終わって家に帰ると、すぐに前の日のうちにまとめておいた荷物を持って、駅に向かう。電車を乗り継いで、翔さんの村の駅に着くのは日が暮れる頃。翔さんが軽トラで迎えに来てくれる。
実家に着いて夕食とお風呂をいただくと、すぐにはなれの部屋に行き、翔さんが来るのを待つ。翔さんは母屋から渡ってくると、自分の部屋には入らず直接私の部屋に入ってきて、私を抱き寄せてくれる。そこで1回。
翌日土曜日は、朝からおばさんと畑仕事。夕方帰って来て、お風呂とご飯のあと、はなれの部屋に戻って翔さんを待つ。そこで2回目。
問題は日曜日。せっかく週に3日も一緒にいるのだから、3回したかったが、日曜の夕方には電車に乗って東京に帰らなくてはならない。
日曜の午後は、宿題と帰り支度の時間ということで私は家にいたが、翔さんは夕方まで戻ってこない。つまり、二人きりになれない。
はじめの頃は、翔さんに軽トラで駅まで送ってもらう時、駅の近くで長いキスをしながら胸を揉んでもらうだけで、ガマンした。
9月の最初の週末、翔さんはお別れのキスのあと
「お前はもう俺のカノジョなんだから、他の男と遊んだりするなよ」
と言ってくれた。
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