私との初体験の翌日、夕食の後家族でくつろいでいると、兄が突然立ち上がり
「俺、彩夏のことが好きだ!できれば、嫁さんにしたいと思ってる!」と叫んだ。
私は突然のことに、赤い顔で俯いていることしかできなかった。
父は最初呆気にとられていたが、見る見る顔が真っ赤になり
「何を馬鹿な!彩夏はお前の妹だぞ!」
と怒鳴った。
「妹だけど、血のつながらない女の子だ!父さんの勝手で…こんなかわいい女の子が一緒に家の中にいたら、俺は…」
私は両親の前で、兄に『かわいい』なんて言われて、ますます恥ずかしくて逃げ出したかった。
「そ、そうかも知れんがしかし、彩夏は母さんの大事な…」
言いかけて父は、ハッとして私の方を見て、絶句した。
小5の時からこの父と暮らし、実の子供同然に大切にしてもらっていた。だが父にとって私は、『自分が愛した女性の大切なひとり娘』なのだ。そのことに気付かされた。
でも、それなら…
私は思い切って顔を上げ
「私が先に、お兄ちゃんを好きになったの!」と言った。家族の驚きの視線が一斉に私に注がれた。両親だけじゃなく、兄まで。
「わ、私が不良の先輩たちに襲われた時、お兄ちゃん本当は強くないのに、鬼みたいな顔で戦ってくれて…私、あんな風に男の人に守ってもらうの初めてで…それで、キュンとなっちゃって…」
すると兄が続けて
「あ、彩夏が俺を、引きこもりから救ってくれたんだ!ダイエットして、自信がついたら、学校にも行けるんじゃないかって、励ましてくれて。父さんなんか、怒るばっかりで…」
私は興奮した兄が、ダイエットに成功した場合の『ご褒美』のことを話すんじゃないかとヒヤヒヤしたが、さすがにそれはなかった。
私たちの話を聞いて、父は何も言えなくなり、しかめっ面で黙り込んだ。
すると、ずっと黙って聞いていた母が父に
「私があなたを好きになったんだもの、私の娘があなたの息子に恋しても、反対できないわね」と言って取りなしてくれた。
「でも、二人とも学生なんだから、節度を守った交際にしてちょうだいね」
と言った。私たちは、はいと答えるしかなかった。
話が終わって2階のそれぞれの部屋に戻る時、兄が少し心配そうに
「節度ある交際って、どこまでかな?」
と聞いてきた。私は返事するのも恥ずかしかったので
「ちゃんと避妊しなさいってことじゃない?」
とだけ答えた。
「そうかなぁ」
兄はまだ不安そうに言いながら、部屋に戻っていった。
父が私に対して遠慮があるように、兄も母に対しては、気を遣っていた。その母から、まだ13歳だった私とのセックスを禁止されたら、さすがの兄もしんどいだろう。
だが私には確信があった。母はきっと、私たちがもう身体の関係になっていることに気づいている。それを踏まえた上で、『節度ある交際』と言っているのだろう。このほんの2年前までふたりきりで身を寄せ合って生きてきた私には、それが分かる。
この後私たちは、母のことば通り、節度ある交際を続けた。しっかりと避妊をし、私の頭がその事だけにならないよう、回数も多くなりすぎないように気をつけながら。
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