やがてリビングのソファーはそのままで、テーブルだけが片付けられた。中央に敷かれたシーツをソファーで四方取り囲み、そのシーツに久美子と理絵は座らされる。
「じゃぁまず、そうだな、久美子ちゃんが理絵ちゃんにキスしてあげて。恋人同士がするような感じで」
「はい……」
久美子は理絵を見つめ、ゆっくりとその唇を重ね合わせた。同時、一斉に鳴り響くシャッター音に包まれる。二人は始め四方からの視線が気になっていたが、互いの呼吸が互いの口の中へと入ってくるのを感じる内に、見られている事を忘れて行った。
「ぅんっ、クミちゃん、キス上手くなった?」
「あたしがリエちゃんにされたように、してるだけだよ」
微笑みながらそう言うと、久美子は再び唇を押し付ける。理絵の中に舌が滑り込み、彼女は思わず久美子の体にしがみついた。
「久美子ちゃん、そのまま押し倒しちゃいな」
「んっ」
二人は純白のシーツへと倒れ込む。その拍子に唇が離れ、理絵の首筋に久美子が顔をうずめる形となった。
「ちょっ、クミちゃ……」
そのまま首筋に舌を這わす久美子。重ね合わせた体の火照りが、お互いの肌を暖める。理絵は両腕を背中に回し強く抱きしめ、久美子はその肩を優しく掴みながら自らの膝を彼女の股間に押し付けた。
「セックスってこんなふうにすんのかな……」
「んあっ! いまは……ダメだよぅ。みんな……見てるし」
恥ずかしさに狼狽える理絵の反応を楽しむ久美子。一人の男が身を乗り出してカメラを近づける。彼はちょうど抱き合う二人の足先におり、突き出された久美子の、水着が食い込んだ尻をアップで捉える。膝をグリグリと押しつけられて全身を電流が貫くような刺激に襲われ、思わず仰け反った理絵の目の前にもまたレンズ。息を荒くした彼女の恍惚とした表情をシャッターが切り取る。
「はずかしいってば……クミちゃん」
「でも、イヤがってないじゃん」
「だって……」
理絵の小さな胸をつつむ久美子の小さな手。
「やめっ……」
身をよじりながらもピンク色の水着に染みを作る理絵。黒い水着ではほとんど目立たなかったが、久美子もまたその突き出した尻の狭間に染みを作っていた。
「久美子ちゃん、ちょっと理絵ちゃんを起こしてあげてさ、そんで背中に回ってみて」
言われる通りにする久美子。
「脚を開きながらお尻着いちゃって、そうすると理絵ちゃんを背中から抱きしめられるでしょ」
「こんなかんじ?」
シーツにベッタリ座って背中から抱き付いた彼女は、その両手で理絵の胸を包み込んだ。水着越しでも勃った乳首がはっきりと分かり、その突起を軽く摘まむ。
「だっ……あっ……」
「リエちゃん、フェラチオって苦しいだけで、ぜんぜんキモチちよくなかったって言ってたじゃん。これならどうかな……」
そう耳許で囁くと、右手で理絵の濡れた唇に触れ、その半開きとなった口に人差し指と中指を滑り込ませた。
「あがっ、う、うみひゃ!」
以前、兄の琢郎にされた時の事を思い出しながら、上顎の裏から舌まで、生暖かい口の中をまんべんなく撫で回す。理絵の荒い息遣いとともに唇の端から唾液が垂れ、その細い首筋と久美子の右手を濡らした。左手は同じような動きで、水着越しの乳首を撫で回す。
「どう? リエちゃん」
「ひっ、ひもひ……いいーっ」
「じゃぁ、しゃぶって」
「んんーっ」
久美子は指をしゃぶられる事にくすぐったさを感じ、右腕全体に鳥肌が立った。左手は胸から腹部へと滑り降り、やがて理絵の股間へ。
「リエちゃん、これって、オナニーしてるみたいだね」
正面のソファーに四人が集まった。その無機質な四本のレンズに見つめられながら昇り詰めてゆく理絵。久美子はもっと彼女を感じさせてあげようと、水着の食い込む筋に沿って指を動かす。割れ目をなぞり、こすり、そしていじり回す。
「だっ! いっっ……ちゃっっ……!」
折り重なり降り注ぐシャッター音の中で、理絵の肢体が跳ねあがった。久美子は腕の中で痙攣する彼女の体を強く強く抱きしめる。
「リエちゃんすごーい。こんなふうになっちゅうんだー」
右手が理絵のよだれだらけになったのと同じように、左手も水着から滲み出した物で濡れた。指先に感じるそのぬめりを、久美子はそっと嗅いでみた。
「ん……うー、だって……じぶんでするよりキモチいーんだもん……」
「ほんとに?」
「でも……みんなに見られちゃったじゃないかぁー」
「アハハ、そうだねー」
「理絵ちゃん、すごく綺麗だったよ」
山下がカメラをソファーに置いて言った。他の三人からも感嘆の声が漏れる。
「ほんとに素晴らしいね」
「十二でイク感じとか覚えちゃうなんて、すっかり大人の女だね」
「じゃぁ、今度は久美子ちゃんの番だな」
「そうだよクミちゃん。お返ししてやるんだからー!」
「いや、あたしは、いいから……」
悪ノリし過ぎたかな、と、久美子は少し反省した。
「じゃぁ久美子ちゃんには、もっと大人のエロスっていうのを体験させてあげようかな」
そう言うと山下は隣の部屋へと消え、やがて何やら紐のような物を手に戻ってきた。
「久美子ちゃんさ、SMとか知ってる?」
「あの、ドエムとかドエスとかいうのですか?」
「まぁ、そんなようなもんかな。理絵ちゃん、俺が教えてあげるから、久美子ちゃんのこと縛っちゃおうか」
「あ、それ面白そー」
山下が持って来たのは赤い綿の縄だった。
「いたいのはヤダよぉ」
「大丈夫。上手い縛り方すれば、実際は全然痛くないんだよ」
「でも……」
「もんどーむよーっ!」
理絵は山下から受け取った縄を久美子の体に巻き付け始めた。
「待って理絵ちゃん、それじゃ駄目だよ。久美子ちゃん、向こう向いて膝立ちになって」
久美子は素直に言われる通りにした。山下は理絵の手を取り、丁寧に縛り方を教える。
「まずはこの後ろ手に組ました手首に、二つ折りにした縄を三回ぐらい巻き付けて一回縛る。指一本入るぐらい余裕みてね」
「はいっ、せんせーっ」
手首を縛った縄を前に回し、胸の下で二回、胸の上で二回と巻き付けた。キュッと締め付けられるごとに久美子の自由が少しずつ奪われてゆく。
「そしたら今度は脇の下から縦に縄を回して、反対側の脇の下も同じように」
背中の高い位置で交わる手首を起点にして、久美子の上半身がまるで梱包されるかのように締め上げられてゆく。縄を引けば胸の肉が突き出していった。
「アハ、クミちゃん、オッパイおっきくなったよ」
理絵はその集められ、はみ出した肉を触る。山下が用意した水着は生地が薄く、その先端には小さな突起がハッキリと分かった。理絵の指はその突起を突つき、摘み、弄ぶ。
「あっ、だめっ、リエちゃ!」
「アハハ、かたくなってるー」
身をよじらせるも拘束された上半身。
「いいねぇ理絵ちゃん、その調子で攻めてあげてて。ここからは俺が、縄を継ぎ足して下半身も縛って行くから」
肋骨の下、腰骨の上と巻き付けられてゆき、臍の下で一度縛った縄はそのまま下へ降りて股の間をくぐる。そのまま尻の割れ目に沿って背中の手首へと結ばれた。
「あぐっ!」
締めれば二本の縄が食い込む。手首から尾てい骨までテンションを掛け、そこを起点に右足首、左足首と、それぞれを繋ぐ事で、お腹を突き出すくらいに仰け反らされてしまった。締めれば締めるほど縄が食い込み、小さな水着も苦しげ。
「よし、こんなとこかな」
久美子の体は仰け反ったままの膝立ちで自由を奪われた。突き出したままとなった胸と腹は雨の如きシャッターを浴び、背後から伸びる理絵の手がその拘束された身体を撫でる。そして揉みしだく。
「いやっ、んっ、だめっ!」
言葉に反してビクビクと震える腰。震えるごとに縄がこすれて、溢れ出す何か。
「クミちゃん、なんかすごくエロいよ」
彼女を見つめる理絵の瞳は潤んでいた。それは今まで体験した事のないエロチズム。久美子の体は締め付ける縄のせいで、全身が性感帯になったかのように、触らなくともその拘束とこすれだけで愛撫されたように感じてしまう。恍惚の顔はよだれを垂れ流し、股の内側もまた愛液を垂れ流す。
「山下さん、アタシも……同じことされてみたいな」
久美子の体はすっかり紅潮し、縄に抱きしめられているかのように、光の中で一人悶えている。それを見て理絵は綺麗だと感じ、また、そんな久美子と同じになりたいと思った。
「そうだね、じゃぁ久美子ちゃんと一緒に縛ってあげようか」
山下は理絵に微笑みかけながら、久美子の縄を一旦解き始めた。彼女の身体にはうっすらと縄の跡。力が入らないのか引っ張られればよろめき、山下の手が触れるだけで感じてしまう。
「じゃぁ、理絵ちゃん、久美子ちゃん、膝立ちのまま向き合って」
山下の縄捌きは実に手際良よかった。久美子のうなじ辺りで交差させた理絵の手首を縛り、その縄を久美子背中まで垂らして彼女の胸の上下、それぞれ二周づつ廻す。理絵の背中で交差する久美子の手首から伸びた縄もまた、同じように理絵の上半身を縛る。山下はその二つの縄を絡ませ、お互いの身体を引き付けるように締めていった。二人の突き出された胸と腹が密着する。
「クミちゃん、ドキドキするね」
「うん」
互いの体がひとつに縛られてゆく中で、二人は再びキスをした。締められるごとに互いの鼓動を感じられるほど密着度は増し、強く抱きしめ合っているような感覚。その時、二人の股の間を二本の縄が通った。
「はぅっ」
「あっ……」
久美子の尻の割れ目から大事なところを通って理絵の尻の割れ目へ。その縄には固結びで作られた瘤が幾つもあり、二人の股間をゴリゴリと刺激する。膝を開いても閉じても、その刺激からは逃がれられない。
「ヤバいよ、これー……」
そう言って理絵がもがけばもがくほど、久美子の割れ目を瘤がこする。
「だめっ、リエちゃん、動いちゃっ!」
「クミちゃ……ああっ……んっ」
久美子が体を震わせれば、互いの密着した胸がこすれ合い、水着越しに乳首同士が当たる。
「水着、取っちゃおうか。オッパイくっつけてるから周りから見えないし、じかに密着した方がいいでしょ?」
「だ、だめ、山下さん……」
嫌がる理絵をよそに、久美子は背中の紐を解かれても無抵抗。その一カ所を解き紐を引っ張るだけで久美子の水着はするり、と、いとも簡単に抜き取られてしまった。脱がされた事を意にも介さずと言わんばかりに理絵の唇を塞ぐ久美子。
「んんんーっ」
縄で縛られているためか紐を解かれても脱がされている気がせず、そんな理絵の水着が抜き取られれば直接押し付け合う二人の乳首。山下はそのまま二人の腰で結ばれた、水着の紐までもを解いてしまった。
「んんっ、やっ!」
無情にもするすると抜き取られ、縄が直接二人の割れ目へと食い込む。
「縄がキミたちの服だからね。水着なんて余計な物はいらないよ」
縛られたまま男たちの前で全裸にされてしまった二人。しかし大事な所はお互いの体や縄によって隠されており、まさに縄を下着として纏ったような形となった。しかし、うっすらと生え始めた陰毛同士がこすれ合い、悶えれば悶えるほど瘤が膣の入り口に食い込んでゆく。太腿の内側を伝う分泌液。拭う事も出来ず、レンズの前に晒し続ける。
「これはね、音ばっかりで、そんなに痛くないんだけど……」
そう言う山下の手には、いつの間にか革で出来た団扇のような物が握られていた。
スパーン!
「ひゃうっ!」
まるでTバックのように剥き出しとなった理絵の尻が叩かれた。
スパーン!
「んああっっ!」
今度は久美子の尻が。兄たちに平手で叩かれた時ほど痛くはないものの、その音の大きさが久美子を一層感じさせる。
「こういうのがSMってやつなんだけど、どうかな?」
久美子の耳許で囁きながら、柄の部分を彼女の尻の肉に押し付ける。
「へ、へんな……かんじです」
「変なじゃ分かんないよ。感じるのか、感じないのか」
スパーン!
「あくっ!……か、かんじ……ます……」
「もっと、お尻を攻めて欲しい?」
「……はい」
スパーン!
「かはっ!」
今度は理絵の尻が叩かれる。
「理絵ちゃんは、どう? こういうの」
「よく、わかんないよぉー」
「じゃぁ理絵ちゃんには、こういうのがいいかな」
そう言うと山下は左手で、理絵の尻の肉を思い切り掴んだ。まだ硬く肉付きの悪い尻が歪む。かと思えば優しく撫でられ、揉まれ、そしてつねられる。理絵は訳が解らないと言った感じでパニックになりながらも、シーツに立てた膝がガタガタと震え、思わず喘いでしまった。
「はうぅぅ、や、山下さん、なんか、ヤバいよぅ」
スパーン!
「あぁっ!」
再び叩かれる久美子の尻。その赤くなった尻は小刻みに震えている。山下はそのまま指で理絵の背中を触り、腰の辺りで縄を掴んだ。その縄は二人の股間をくぐる瘤だらけの縄。
「二人ともこんなに感じて、小学生のクセにすっかり大人の体になっちゃったね」
言い終わるよりも早く、山下はその縄をグッと引っ張り上げた。
「ああっ!」
「だっ!」
縄の脇から垂れる透明な液体は、久美子と理絵、二人のものだった。ポタポタと白いシーツに染みを作る。
「なんか出ちゃったよ。二人ともエッチだね」
さらに引く。震わせる。激しく往復させる。次から次、溢れ出す。
「だっ、いっちゃっ、アタシいっちゃっっ!」
「だめっ、リエちゃん、あたしもいっしょにっ!」
久美子が唇を押し当て、理絵の荒く熱い吐息を吸う。そして彼女の唇までも、貪るように吸う。すると理絵の昇りつめる快感が、体を密着させる久美子にも伝染した。二人は恥骨をこすり合わせる。もはや山下が縄を動かさずとも、二人の激しい腰の動きにより瘤が膣口と肛門をこする。
「あぐっ、うっ、リエちゃん、あたしも、もう……」
山下は二人の腰から垂れる縄を強く引いた。すると二人をまとめて拘束する縄が今まで以上にきつく締め上げられ、二人の背中、腰、尻、それぞれの縄が肉に食い込む。
「ぐっ!」
「んんっ!」
さらにもう一本、久美子の尾てい骨の辺りから垂れる縄を強く引けば、股間を潜る縄がさらに締まり、結んで作った瘤がちょうど二人の膣口に深くめり込んだ。
「くはっっ!」
びぅ、と、飛び出す透明な液体。
「おい、これって、潮噴いちゃってないか?」
「ウソだろ、だってこの娘たち、まだ小学生だぞ」
シャッター音の紛れてひそひそと男たちの声が聞こえる。
「いくっっ!」
「あたしもっ!」
二人の体は、まるでひとつの生き物のように激しくうねり、震え、跳ね上がり、そして膣口から透明な液体を吹き出した。攻め立てるようなシャッター音。やがて四方を取り囲むソファーから静かな歓声が上がった。
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