久美子も理絵も、まだ経験のない兄たちの事が、急に子供に思えるようになっていた。オナニーしか知らない少年たち。つまらない。そう思って二人は兄たちとの距離を置く。
「おい久美子、ちょっとさ、手ぇ貸せよ」
兄妹二人きりの昼下がり。エアコンの効いた居間。窓の外は灼熱のアスファルトと蝉の大合唱。
「やだよ兄ちゃん」
テーブルでテレビを観る久美子は、背後に立つ琢郎を振り向きもしない。
「テメェ、誰にモノ言ってんだよ。いいから黙って手ぇ貸せって」
言いながら早くもパンツを下ろせば、久美子の頭上ですでに勃起したペニスが弾けるように飛び出した。
「兄ちゃんさ、そんなにあたしの体使って出したいんなら、してあげてもいいんだけどさ」
テレビから逸らさない久美子の目は笑っていた。今までの自分とは違う。女の子でも少女でもない、自分は女なんだ、と、久美子は思っていた。
「な、なんだよオメェ、どうしたんだよ」
「べつに。てゆーか、そんなにあたしの手でオナニーしたいの? それともまた、あたしの口に入れたい?」
「そ、そうじゃなくて……」
分かりやすいほどの狼狽え。顔を赤くする琢郎。
「あたしの体で、いっぱいエッチなことしてもいいけどさー、その代わり、あたしにも兄ちゃんの体、使わせてよ」
「どういう事だよ」
その時、久美子は初めて振り返り、兄の目を見つめながら言った。
「あたしの言うこと、なんでも聞いてよ。さもないと、お母さんに言いつけちゃうんだから」
「なっ!」
主導権さえ握ってしまえば、怖くもないし嫌でもなくなる。兄の言う事を聞いてばかりいても、理絵と抱き合ったり山下に縛られたりした時ほどの快楽は得られないだろう。ならば自分の好きなようにしてしまえばいい。
「そうだなー、とりあえず、まっぱだかで仰向けんなってー」
「なに……すんだよ」
「いいから兄ちゃんは、あたしの言うこと聞くの!」
「あ、ああ」
恥じらい、気弱な言い方しか出来なかったはずの久美子の、堂々として高圧的な言い方に押され、琢郎は素直に言う通りにする。
「ねーねー、こういうの、ホーケーって言うんでしょ? 皮むいちゃおっかなー」
人差し指で少し萎えたペニスを弾く。
「バ、バカ、何言ってんだよ……って、引っ張んじゃねぇ!」
体で遊ばれた仕返しとばかりに兄の体を弄ぶ。するとみるみる固くなるペニス。久美子はその棹の裏側に舌を這わせた。
「うあっ」
「アハハ、ピクピク動いてるー」
舌先を尿道に押し付けながら、ゆっくりと皮を剥いてゆく。するとツンとした臭いに鼻腔を襲われ、久美子は思わず顔をしかめた。
「兄ちゃんここ、ちゃんとおフロで洗ってる?」
「あ、洗ってるよ」
テーブルのティッシュを四枚引き抜いて台所の水道で湿らせ、亀頭の付け根に溜まったカスを拭う。
「い、痛てーよオイ」
「がーまーんー! 気持ちいくしたげるから」
そう言うと彼女は短パンと下着を脱ぎ捨てた。そして琢郎の体に跨がり、すっかり固くなったペニスに自らの割れ目を押し付ける。
「こーゆーのどう? なんかエッチしてるみたいでしょ」
腰を前後に動かせば、棹の裏側がこすれる。次第に濡れてくればその滑りもなめらかとなり、くちゅくちゅといやらしい音を立て始める。
「うっ、くっ、久美子……これ、やべーよ」
「うんっ、兄ちゃん、あたしも……」
ぐりぐりと回す股間に翻弄されるペニス。前屈みになればクリトリスもこすれ、二人の息も荒くなってゆく。
「久美子、俺、もう、イキそう……」
「だめっ」
腰を浮かせる。久美子の目には激しく脈打つペニスが、イカせてくれとねだるように見えた。
「兄ちゃんまだ早いよ。あたしもっともっと、きもちよくなりたいんだから。自分だけイッちゃだめだからね!」
「マ、マジかよぉー」
久美子は膝立ちで浮かした腰を前にずらし、彼の顔の上に跨がる。
「兄ちゃん、あたしのここ、なめて」
「ええー」
「あたしなんどもフェラチオさせられたんだから、兄ちゃんも口でしてよ」
「……しょ、しょうがねーなぁ」
彼の腰骨辺り、後ろ手に着いた手で兄のペニスを弄りながら、腰を前へと突き出して股間をその鼻先に。突き出された舌先が妹の割れ目をなぞる。右手で自分の胸を触ればすっかり固くなった乳首。
「んあっ!」
兄の顔を愛液で汚す。こんなこと、つい最近までは想像すら出来なかった。しかし最初に自分の中のいやらしい部分を目覚めさせたのはこの兄だと久美子は思った。子供の頃からいつもテレビを観たり食事をしたりする居間。その見慣れた天井を彼女は仰け反ったまま眺める。
「久美子オマエ、スゲェ濡れてんぞ……」
「だって……おうちで兄ちゃんにアソコなめられてると思うと、あたし……」
胸を弄っていた右手は突き出したお腹に沿って下腹部へ。そして人差し指と中指で自らの割れ目を左右に広げる。
「んぶっ、くみ……」
大陰唇で彼の唇を塞ぎ、クリトリスをその鼻先にこすり付ける。久美子は顔に乗る事で今まで恐れていた兄を、克服した気分になった。
「あぁっ、に、兄ちゃんんんっ!」
やがて久美子は腰を引き、再び股間の上に跨がる。そしてすっかり赤く腫れ敏感になった大陰唇で、兄のペニスを包み込んだ。
「はうっ……兄……ちゃん。いっかいだけさ………いれて、みよーよ」
「バ、バカ、オメェ、何言い出すんだよ」
なすがまま横たわる兄を見詰めながら久美子は、膣口を亀頭にこすりつけ、その兄の股間を溢れ続ける自らの愛液で濡らしてゆく。
「あたし、おっきくなった兄ちゃんのおちんちん、はじめて触ったときから、入れられたらどんなだろーって、そーぞーしてたの」
「やべぇって兄妹でそんな」
「なにがどうヤバいの?」
「だって、近親相姦だぞ」
久美子は兄の言葉になど耳を貸さず、腰を前にずらした。すると、亀頭が半分だけ沈み込む。
「うるさいなー。きもちいいんだから、いいじゃんかー」
「でもオマエ、初体験にゃまだ早えぇし、それに相手が俺って……」
「あたし……初めてじゃないよ?」
「な、なんだって!?」
「兄ちゃんは、はじめての相手があたしみたいな子供じゃイヤ? でもあたし、もう子供じゃないよ」
「そうじゃなくて、オマエ、いつ、誰とセックスしたんだよ」
「いいじゃん、あたしが誰としたって。兄ちゃんは知らないひとだよ」
言いながら久美子は兄のペニスに手を添え、少しずつ膣へと押し込んでいった。温かさに包まれる快感に、抗う事が出来ない琢郎。
「やめっ、く、久美子、やめろって……」
いくら濡れていても、まだ一度しか経験のない幼い膣に、琢郎のサイズは大きかった。
「つっ! うぅぅぅーっ」
血が滲む。額からは脂汗。それでも久美子は奥へ、奥へとゆっくりペニスを呑み込んでゆく。
「ゴ、ゴムとか着けねーで大丈夫なんか? つーか俺、持ってねーけ……どっ……」
「はうぅぅぅー」
もはや久美子は、それどころではなかった。張り裂けそうな痛みと、兄とセックスしてしまっているという背徳感、それに芽生え始めた挿入による快感。
「す、すごっ、すごいよぉぉぉーっ!」
兄のオナニーを手伝わされた時も、フェラチオを強要された時も、自分の大事なところを中まで観察された時も、心のどこかで喜んでいた自分がいる。
「く、久美子、俺……もう、止まんねぇよぉ……」
琢郎は起き上がり、跨がっていた久美子を押し倒し、そして自ら腰を激しく前後させた。
「んああぁぁぁーっ! に、兄ちゃんっ、だめそんな、そんな速くうごいちゃっ!」
「久美子っ、すげぇよ、すげぇ気持ちいいよっ!」
覆い被さるように彼女の頭を抱え、その小さく細い体を強く抱きしめる琢郎。獣のように激しく突き上げれば、頭が真っ白になる。
「ぐっ、んあっ、はぁっ、だめ、そんなしたらイッちゃうってばぁぁー!」
「はぁっ、はぁっ、たまんねぇっ、久美子っ、久美子の中、たまんねぇよっ!」
二人の荒い息づかい。腰と腰をぶつける音。くぽぐぽと溢れる愛液。
「ああぁぁぁ、いくいくいくいくイッちゃうぅぅー!」
「俺っ、もっ!」
「だめっ、中はだめっ!」
即座に抜いたその瞬間、久美子の割れ目に放たれた精液。それを浴びながら、久美子の膣から噴き出す血の混じった潮。そのまま琢郎は彼女の体にぐったりとのしかかり、二人とも痙攣が止まらない。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あたし、すごく、イッちゃた……」
「はぁ、はぁ、久美子……うぅ、ごめん、俺……」
むわりとした熱気の中、呆然と天井を眺めながら久美子は言う。
「あやまらないで、兄ちゃん……」
ついに一線を越えてしまった。この先、お互いこれっきりという訳にはいかないかも知れない。どちらかがまた我慢できずにセックスを求めるかも知れない。そう久美子は思うのだが、同時にそんな事、どうでもいいとも思った。理絵としたって、山下としたって、兄としたって気持ちいいのだから。その快楽に抗う必要など、ないのだから。窓の外では耳触りなくらい蝉が鳴いていた。
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