いよいよ大晦日、もう少ししたらお母さんとおじいちゃんの家に向かいます。
お正月をおじいちゃんと過ごすのは初めて・・・、おじいちゃんとのあんな関係になって
お母さんとはギクシャクして、あのまま二人で居たらどうにかなっちゃいそうだったから
お泊まりは気分転換には丁度よかった・・・。
お父さんが気になるけど、こんな世の中だから仕方ないよね・・・。
『はるな~用意出来てるの?もうすぐ出るからね、ご飯食べちゃおうね』
キッチンの方から声がした、私もランドセルとバックを持ってリビングに向かう。
『お母さん、おはよう・・・』
挨拶をして、お母さんの姿に驚く・・・。
今迄見た事のない和服姿・・・振袖とかそんな感じじゃ無くって普段着の感じ。
けど、妖艶な雰囲気を醸し出してお母さんのイメージを変えてしまう・・・。
赤を基調にした素朴な柄で、どちらかと言うとグラマラスなお母さんの身体を包んで
奥ゆかしさを感じる。
髪は綺麗に櫛を通して右に束ねられている。
子供の私でも正直、綺麗だと思いました、お父さんと一緒のお正月じゃこんな姿見た事
無かった・・・・・。
おじいちゃんの趣味なのかな?私にはまだない色気を感じます。
二人で朝ごはんを食べて家を出ます。
手を繋いでおじいちゃんの家に向かう、すれ違う人達はお母さんを振り返って迄見ている
純和風の出立ちのお母さんと、今時のJSファションの私、アンバランスな二人・・・。
『お義父さん・・・おはようございます、はるなと来ましたよ・・・』
インターホンに向かって声を掛ける。
『いやあ、愛さんかい?はるなも一緒に・・・すぐに開けるよ』
私は初めて、おじいちゃんに迎えられた。
いつもは縁側からの侵入?だったから、こんな風に入るのはあまり無かったから・・・。
家に入る時もお母さんの仕草は魅力的だった、こんな風に成りたいって思っちゃた・・・。
二人でリビングに通される、今迄入った事がない部屋、外観からは計り知れないおじいちゃんの家。
私も未だ全部の部屋には入った事がなかった。
このリビングを中心にプリズンの様にいろんな部屋があるみたい・・・この間の部屋のドアが目に入った。
変な気持ちだった、あんな事されたおじいちゃんの前に親娘で座ってるんだから・・・。
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