寛子はそんな二人の様子を隣室で見ていた。中田氏が根っから可奈子にほれ込み激しい性欲を可奈子に向けていることがありありと伝わってきた。ここで割って入っても彼は自分など見向きもせず、可奈子と繋がりたい一心で自分を無視するだろうことが容易に想像できた。娘がそこまで♀としての魅力を身に着けたことをうれしくもさみしくとも思うとともに「女」として可奈子に負けつつある悔しさも感じていた。
思えば寛子が先代女将から上客の性的接待を任され始めたのが11歳ころ。12歳の頃には自分目当てで旅館に通う客で大賑わいし、その繁栄は寛子が16歳で結婚するまで続いた。その後シングルマザーとして再び客の下の世話を始めて今日に至っている。不十分な面は幼い姉妹にたよってきたのだ。
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