2020年初冬。 再会というべきか、あの親子(前述10を参照)と再度出会う蜜満子。 彼女たちと知り合いになった蜜満子は、その後も友人として付き合うようになっていった。 そして「うっそぉ~? うそでしょ? ショック!」
◆蜜満子は再会を喜び、友情を楽しみ、そして衝撃を目撃し、旦那と二人でノックアウトぉ~。
1/3
ひょんな思いつきで〔家庭で作る特別おせち料理〕という料理教室へ通うことになった蜜満子。
講習の初日があった日に、蜜満子は夕食で夫に驚きの話をする。
「そうそう、今日ね、お料理教室で凄い人に会ったの。 ほらっ、あのスーパーの親子、あなたも覚えてるでしょ」
「おお、あのセクシー親子な。 ボインの揺れ凄かった人な。 ロリちゃんもな、ヘヘヘッ(笑)」
「もうっ。 教室でね、席が隣り合ってさぁ、料理しながら話も弾んじゃって、一緒に帰ってきたのよ、そばに住んでるの」
「マジで? そうなんだ。 そりゃ凄いなぁ。 で、どんな人? 」
夫に一部始終を話す蜜満子。
そう、夏にスーパーで視姦した親子、蜜満子はあの母親と再会したのだった。
「え~っ、そうなの? ウチのすぐそばよ」
その親子は、大川邸から5ブロック離れた同じ町内に住んでいた。 車を使えば2分ほどの距離だ。
この辺りは高級住宅地として有名で、連なる家はどれも ‘邸宅’ と呼ぶに相応しい豪華な造りであった。
そんな優越意識・同族意識もあり、その母親と蜜満子は講習初日から親しい関係になっていった。
「お嬢さんと買い物する姿、何回か見たことあるのよ。 一緒に連れてくれば良かったのに、将来の花嫁修業のつもりで(微笑)」
「あ、あの子? ちがうんです、娘じゃないの、姪っ子なんです」
「そうなのっ!?」
山本倫子、リンダではない。
山本倫子30歳、主婦。結婚前はモデルとして活躍し、現在も主婦モデルとして雑誌や広告チラシなどの仕事を、若干ではあるがこなしている。20近く離れた夫は高名な大学の名誉教授。
慶子。山本氏の弟の娘、倫子の姪にあたる。令和2年春に国内トップクラスの超難関中学校に合格した才姫。両親は同じく大学教授。年度で13になる早生まれの12歳。
「彼女、ウチに泊まりに来るのが楽しいみたい」
「倫子さんの家ならご主人も立派な方だし、問題なしよね」
「専用の部屋も用意してあるから、長期休みになると連泊してウチから図書館へ通ってたりするんですよ」
元来、山本氏の家系は学者一族であった。
当然、慶子もその血を引いていて成績も良く、賢く、また、躾には厳しい家庭環境に育っていた。
いっぽう倫子はモデルを生業としていたので、芸能界にも通じる派手さと華やかさが漂う女性だ。
だから、厳しい躾の下(もと)で育った慶子にとって、叔父と結婚した倫子の存在はとても魅力的に見えていたのだ。
週末になるとよく山本家へ泊まりにくるのは親の厳しさからの逃避もあったが、倫子の傍らにいることで地味な勉強家の自分が華やかになっていくような感覚を身につけたい思いがあったのだ。 親としても叔父の家なら環境も良いし安心していられるのだった。
「だから、よく泊まりに来ているんです」
「気分転換、って感じなのかもしれないわね」
いわゆるお勉強のできる真面目な女の子でありながら、美人女子を見慣れた倫子にとってもダントツに可愛いマスクを持った慶子に、倫子のほうも惹かれる想いがあったのだった。
大学在学中からモデルになり、以来ルックス命で生きてきた倫子にとって、慶子は ‘仕込み甲斐’ のある存在だったのだ。
「自分じゃ、大人って思ってるみたいなんです。 彼女、おませちゃんだから」
「女の子は、中学にあがると一段と大人っぽくなるわよね」
「そうですねぇ。 あれで、もう立派な大人のつもりなんですから、フフッ(微笑)」
その軽い微笑みの裏に何があるのか、蜜満子にわかる筈も気づく筈もなかった。
「へえ~、そうなんだ」
歓心する夫であったが、まあ自分には関係ないだろうと、それこそエッチな役回りなど来る筈もないだろうと思うばかりであった。
料理教室が修了したあとも蜜満子と倫子の交友は続き、家を行き来して料理を楽しむ間柄になっていた。
そして年末、珍しい京野菜を手にいれた蜜満子は、倫子へおすそ分けしようと思い、連絡をとる。
夜、萌絵雄の運転で山本邸に行く二人。
萌絵雄はエロな気持ちも忘れて、初めて会う倫子にちょっとワクワクした。
「あら~(微笑)」
「持ってきたわ、ほら」
「まあ、わざわざありがとう蜜満子さん」
「ついでに旦那も持ってきた(笑)」
「あ、どうも初めまして」
「大川です。いつも妻がお世話になっております」
「山本倫子と申しますぅ。 お世話になっているのは私のほうです、私のお姉さんですもの(照笑)」
「よかったら主人も置いてく? いらないから(笑)」
「まあ(笑)。 今ウチの主人は出張でいないけど慶子ちゃん泊まりに来てるわよ。 上がっていって」
「いいのよ倫子さん、もう遅いし、今日は届けに来ただけだから。 来年ゆっくり会おうよ」
「なんか突然おしかけちゃってすみません倫子さん、お会いできて光栄です(微笑)」
「こちらこそ、色々もらっちゃって恐縮しています」
「良いお年を~(微笑)」
「お互いね、良いお年を~(微笑)」
萌絵雄は、かつての視姦行為を失礼に思いつつも、セーター越しでもわかるボインの若妻に初対面で緊張しまくっていた。
気さくな倫子とは対照的に、照れも手伝い、蜜満子を連れてそそくさと帰宅する萌絵雄だった。
「めっちゃイイ感じじゃんよ、倫子さんて」
「でしょ。 美人だし、超華やかだし、明るいし」
「あんな妄想する対象じゃないよな」
「まあ、そうよね。 あたしたちホントにスケベよね、あっ!」
「どした?」
「忘れた、これも渡すんだった、どうしよう。 あたし、ちょっと行ってくる」
「もうすぐ9時だけどまだ起きてんだろう。 早く行ってきな」
忘れものを届けに、今度は一人で運転して山本邸へ戻る蜜満子。
ピンポンしても返事がないのでドアノブに手をかけると、施錠がまだされていなかったので玄関の中へ入る。
「倫子さ~ん、あたし自宅に忘れ物してたよぉ、これ~」
返事はなく、廊下奥の脱衣所のドアが少し開いているのが見えるだけだった。
「あなたぁーっ!」
「お、おかえりー」
自宅へ戻った蜜満子は、なにやら動揺した様子で居間へ急ぐ。
「あなたぁ! 信じる? それとも信じない?」
「えぇっ? なに言ってんの?」
100Mダッシュでもしてきたかのような、荒い息づかいの蜜満子であった。
(つづく)
※元投稿はこちら >>