個人授業を始めた頃、真由の志望校は、同じ市内にある共学高だった。偏差値も進学率もそこそこで、僕たちの中学からも大勢の生徒がそこに進学する。
3年生になって、真由は成績が伸びてきたので、1ランク上に志望校を変えた。そこは県庁所在地のM市にある女子高で、進学率が高い上、制服のデザインの良さでも評判だった。僕たちの中学からそこへ進学する子は1学年でほんの数人だ。
模擬試験では、3年になってからずっと合格圏内だったが、夏が終わり、部活を引退した子たちが本気で受験に打ち込み始めると、真由の偏差値は合否ギリギリの所まで落ちた。模試前にしっかり対策をして臨んでもなかなか戻らない。
土日の勉強時間が終わったあと、不安で落ち込むことが多くなった。
こうなれば、膣拡張どころではない。
僕は真由が落ち着くまで、肩を抱き、何度もキスしながら話を聞いてやり、励まし続けた。
ある時僕が
「しんどかったら、志望校を元に戻してもいいんだぞ?」と聞いてみた。すると真由は大きく頭を振って
「M女子高に行って、M市で先生とデートするんだもん!絶対諦めない…」
と答えた。
そう。僕たちは恋人同士になってから、僕の部屋以外でデートしたことがない。
真由はそのことで不満を言ったことはなかったが、『同じ学校の教師と生徒』でなくなったら、普通の恋人同士のように、街でデートをしたいのだろう。しかし、地元ではいつ同じ中学出身の子に見られ、問題になるか分からない。
M女子に行かなくても、週末に僕の車でM市まで行けば同じなのだが、真由の進学先が市内の共学校だったら、市内で待ち合わせしている所を見られて校内で噂になるかもしれない。
そしてその事が、真由ががんばる原動力になっているなら、教師としては応援するしかないだろう。
僕はプライベートの時間のほとんどを費やして、真由の勉強に協力した。
その甲斐あって、翌年の春、真由は見事にM女子高校に合格した。
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