閑話休題
中世ヨーロッパにおける魔女伝説。
その言い伝えにあるサバト、即ち魔女達が主催する狂宴。
細かな設定をクドクドと紹介はしないが、酒や怪しげな薬、様々な暗示により演出されたその宴は、妖しく淫猥なものであったと推察される。
サバトに参加した面々が魔女、或いはその眷属として弾圧された歴史は、誰もが知るところとなっている。
だが、何故、魔女とその眷属が弾圧の憂き目に遭ったのか。
様々な事情はあったのであろうが、その無視出来ない理由のひとつに嫉妬が挙げられるに違いない。
狂宴に参加し、快楽に耽り、その悦びを満喫する者達と、参加すら出来ず、指を咥えて見ることしか出来ない者達。
参加すら出来なかった者達は、狂宴を愉しむ者達を妬み、嫉む。
嫉妬に駆られた者達は、正論を盾にして参加者を責め、貶め、蔑む。
歴史上における魔女狩りの概要。
だが、現代においても同様のことが起こり得るのは、論を俟たない。
たった今、この小さな公園においても暗く、いじけた糾弾が始まりつつあった。
何らかの猥褻な指示、或いは誘導をしているらしき謎の男。
そして何よりも隠そうともせずに、淫らな行為に耽溺している少女達。
それと知らずに幼女が、人前も憚らずに擬似的な自慰に耽ってしまうことがある。
勿論、一過性のものだ。
だが、眼前の光景は全く意味が異なる。
魔女、、指示する者、、の分身たる男。
その眷属達、、快楽を享受する者、、の分身たる二人の少女。
公園の一角に集まり、三人の行動に眉を顰め、その破廉恥な有様を口々に謗る女達。
だが、その内実では羨望の色を隠せない、善良にして偽善に満ち溢れた小市民。
その場にいる女達全員の股間は淫らに潤っていた。
口にこそ出しはしないし、自覚しているかいないかは、別にしてではあったが。
女達は家事を理由に一人、また一人という具合で姿を消していく。
いっそ清々しいと言って良い程、あからさまな欲望を享受している少女達に羨望の想いを抱きながら。
日暮れ時、沈みかけた陽に赤く染まったその公園には、男と二人の少女だけが残されていた。
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