「どうした?早くしろよ!」
眼の前に立った男から罵声が飛ぶ。
「まぁまぁ。小学生に毛が生えたようなもんなんだから。」
そう言って別の男が宥めながらアオイの前に立つ男と入れ替わる。
「生えて無ぇけどな!」
捨て台詞を残しながら位置を譲った男を意にも介さず、少女の正面にしゃがみ込んだ男は柔らかな物言いで説明を、いや、指導を始めた。
怯えきっていたアオイは、藁にもすがる思いで眼の前の男を見詰める。
・・この人なら或いは・・。
だが、事態は全く好転しない。
確かに柔らかな物言いではあるが、所詮、目的は全員が同じなのだ。
「いいかな、口を軽く開いて・・・」
舌の先端を尖らせ、唇から突き出す。
突き出した舌には唾液を絡める。
「良し良し。そう、そんな感じ。」
優しく、そう表現しても過言ではないような口調ではあるが、男は少女に対して口唇による性的な愛撫の方法を教えているに過ぎない。
だが、少なくともアオイが怒鳴られたり罵声を浴びせられることはないのだ。
この時、少女にとって唯一の味方は眼前の男であった。
アオイは錯覚、、いわゆる『吊り橋効果』、、に陥っていた。
絶望的な状況で希望をもたらす要素に過度な期待、或いは好意を抱いてしまう心理学的な現象。
「そうそう。そんな感じ。上手い上手い。」
覚束ない手つきで熱り勃つ男性器を触りながら、少女は舌を限界まで尖らせた状態で踊らせる。
ちろ・・ちろちろ・・。
薄桃色の柔らかく湿った肉が、恐る恐る男の肉棒を這う。
アオイの手の中で熱く猛る蛇は、その眼の無い鎌首をもたげていた。
せめて眼にしないように、そんな想いからか少女は瞼を厳つく閉じる。
「さ、次は口を大きく開いてごらん。」
最早、アオイは思考停止の状態にあった。
全裸で。
野外で。
見知らぬ男達に囲まれて。
その男達に見られながら。
卑猥な行為を強いられているのだ。
想像を絶するような屈辱、そしてそれに逆らえないシチュエーション。
何も考えずに行為に没頭することにより、少女の正気は辛うじて保たれていた。
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