それは贖罪に他ならなかった。
ミドリにとってアオイに対する贖罪。
贖罪であれば苦痛を伴うべきであった。
だが、この贖罪は肉体的苦痛を伴わない。
むしろ甘美な肉の悦びが約束されていた。
だが、肉の悦びに咽ぶ都度、罪悪感がミドリの精神を責め苛む。
肉の悦びに罪悪感がブレンドされた極上の甘露は、ミドリを虜にしていた。
一方でアオイは、と言えば娼婦として堕した自分自身を恥じ、蔑み、貶めていた。
過去の事件により心に負った傷は、アオイが男達の欲望を口で受け止める都度、じくじくと痛み、血が滲む。
或いは、レイプされた方がマシな程の精神的な負担を課せられる行為。
だが、そのお陰でアオイはミドリを繋ぎ留めることが可能になっていた。
唾棄したい程に恥知らずな行為により、金品を得ることでしかミドリの愛撫を受ける歓びは得られない。
アオイも、また出口の無い広大な迷路を彷徨っていた。
定期的に二人、、アオイとミドリは連れ立って出掛けていく。
知り合いと顔を合わせる可能性が低く、不特定多数の人間が往来する場所、、それは主として繁華街、、に赴き、見知らぬ男に声を掛ける。
男に声を掛け、説明と交渉の任に当たるのは自然とミドリであった。
交渉が成立し、前金を受け取った後は、アオイの出番だ。
剥き出しになったペニス、、それは具現化された欲望とイコールであった、、を頬張り、口唇により刺激を加え、その欲望を口腔で受け止める。
その光景を見守りながら、何故か昂ぶるミドリは、その後に控える爛れた行為に対し、心ならずも期待を寄せる。
無意識のうちに密室を避け、他人の眼に触れ難い屋外を選んで為される破廉恥な行為。
だが、結果的には、このシチュエーションが二人の少女の身を守ることになっていた。
いざとなれば、ミドリが大声を上げることも出来たし、下半身を剥き出しにした男を置き去りにして逃げることも出来よう。
幸いにして二人が危惧するような状況に陥いるこてはなく、お約束の段取りとして回数を重ねる日々が一年余り続く。
そんな晩秋のある日、、二人は中学二年生になっていた、、それは転機となるような出逢いであった。
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