「ん!」
これで何度めか。
繰り返し小さな悲鳴を上げるアオイ。
だが、それは昂ぶりを示す甘い悲鳴ではなく、苦痛を感じていることを示すそれであった。
「ご、ごめん・・。痛かった?」
「だ、大丈夫・・。」
だが、眉間に皺を寄せたアオイの表情は明らかに不満げだ。
刺激の仕方が悪いからだろうか。
躯が性的に未熟だからだろうか。
しかしミドリとて十三歳。
これらデリケート、かつ個人差のある問題に対処出来るわけもない。
「ね。この前みたいに・・もう一度だけしてくれない?」
「・・それは・・。」
言い澱むミドリ。
絶対的な拒絶ではないものの、何故か抵抗を覚える少女。
何故、ミドリは抵抗を覚えるのか。
それは自分自身でも分からない。
或いは『その行為』の魅力に抗し難くなる可能性を、無意識のうちに危惧していたのかもしれない。
「凄っごく気持ち良かったの・・。」
「へ、へぇ。そ、そうなんだ・・。」
それは分かる。
ミドリ自身、それと気付かぬままアオイの躯に施した淫らな儀式。
その最中、特に終盤に至ってからの少女の反応については、筆舌に尽くし難く、様々な想いがミドリの胸中を交錯する。
驚き。
自分の施す行為が、ここまで少女を性的な意味で乱れさせるとは。
羞らい。
意識せずとは言え、はしたない行為を、しかも同性に対して施してしまうとは。
悔やみ。
友人の為とは言え、軽率な行動が、よもや自分を追い詰めることになろうとは。
そしてミドリ自身は気付いていない、或いは眼を逸らしている妬みと憧れが複雑に入り混じった想い。
憧れていた。
あそこまで昂ぶることが出来るとは。
しかも後ろめたさを伴う自慰行為ではなく、他者から施して貰えるのだ。
また、それ故に自分一人では身体の構造上、不可能なことも可能である。
妬んでいた。
過去数年に渡り耽ってきた淫らな秘め事。
果てることが出来たのは数える程だ。
それをあっさりと、だ。
易々と絶頂を迎えることが出来たアオイが羨ましくも妬ましかった。
煩悶するミドリを余所にアオイから、とある提案が為される。
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