例の事件が起きた火曜日。
ミドリはその一部始終を見ていたのだ。
いや、一部始終というのは正確ではない。
少女が公園で男達に絡まれながら物置小屋の陰に連れ込まれる場面は、遠目とはいえ眼にしていた。
どうしよう・・。
巻き込まれたくない・・。
一度は見なかったことにして、その場を離れたが、やはり気になって仕方がない。
逆戻りして現場に至る手前で、偶然にも死角と思われる物置小屋の裏手を覗き込める場所を見つけた少女。
植え込みの中、垣根の破れ目から眼にした状況は、最悪に向かっているとしか思えなかった。
既に全裸にされたアオイは、男達の性器を頬張らされ、ぎこちなく愛撫を加えている。
警察?
学校?
通行人?
分からない。
そもそも脚が震えている。
助けを呼びに行けそうもない。
だが、しかし。
男達はアオイに暴力を振るったり、女性器に狼藉を加えるつもりは無いらしい。
口唇による性的な奉仕を強要し、果てる瞬間に精液をその躯に向けて放つ、の繰り返しだ。
或いは性器の挿入に至る暴行により生じるリスクを男達は回避しているのかもしれないが、それは誰にも分からない。
分かったのは、アオイが輪姦、或いは強姦されることは無さそうだという見通し。
いつの間にか脚の震えは止まっていた。
我ながら呼吸が荒い。
怖い、それもある。
だが、それだけではない。
いつしか尿意を堪らえる幼児のように、太腿を擦すり合わせているミドリ。
欲情していた。
しかも強烈に、だ。
理由は分からない。
・・こんなところで・・
ダメだ、ダメ・・だ、ダ・・メ・・。
それは炎に炙られた枯れ葉が、あっという間に燃え尽きる様に似ていた。
少女の理性は跡形も無い。
最初はハーフパンツの上から。
あっという間に果てていた。
次はハーフパンツの中に手を潜らせて。
まただ。
また果ててしまう。
まどろっこしい。
下着ごとハーフパンツを膝まで下ろす。
繰り返し果てる少女。
自慰の経験はあった。
自慰により果てた経験も無いではない。
だが、これ程までに容易く果てた経験も無ければ、繰り返し何度も果てた経験もない。
くチゅ、クちュ、ぐちョ、ぬチゃ・・
淫らに湿った音が漏れ聞こえていた。
右手は股間を弄り、左手は口を塞ぐ。
公園の植え込みの中、立ったまま背を屈め、自慰に耽り続けるミドリ。
あ゛あ゛あ゛あ゛
何度目かの絶頂を迎え、視界が眩むと同時に思考が弾け飛ぶ。
自分が発している荒い呼吸音に驚きながら、ふと気付くと男達の姿は見えない。
物置小屋の裏手、薄暗い場所に座り込んだ全裸の少女の背中だけが、仄白く浮き上がっていた。
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