一通り、口の中を浄め終えたミドリは、僅かに呼吸を乱しながらアオイから顔を離す。
「全然、汚くなんかない・・。」
「・・う・・ん。ありが・・とう。」
眼尻に涙を浮かべながら呟く少女。
「あっ!」
その時、ミドリが小さく叫び声を上げ、次の瞬間にはその頬のみならず首筋までを朱に染めていた。
「?」
訝しむようなアオイの表情に気付いた少女は、途切れがちに呟く。
「あ・・あたし、初めて・・だった・・。」
「初め・・て・・?」
意味を取りかねるアオイ。
『初めて』
つまり後先考えずに行動した結果、ファーストキスを捧げてしまったミドリ。
一瞬、キョトンとしたアオイは次の瞬間、くすりと笑い告げた。
「あたしだって・・初めてだよ・・。」
笑われた。
恥ずかしい。
迂闊な自分が恥ずかしい。
恥ずかしがっている自分が恥ずかしい。
「もぉ。次しなきゃ。」
照れ隠しにぶっきらぼうを装ったミドリは、アオイの首筋に唇を這わせ始めた。
首筋に隈なく舌を這わせると次はパジャマのボタンを緩め、肩に。
硬直したアオイは身動ぎすら出来ない。
繰り返すが、二人の少女のどちらにも淫らな想いは存在しない。
少なくとも、この時点までは。
アオイの躯が穢れてしまったわけではないことを証明する為の儀式に過ぎない。
いつの間にかパジャマの上衣を脱がされ、更には肌着をも取り去られた上半身裸の少女はベッドの上で仰向けにされていた。
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