ミドリに付き添われるようにして、終始無言のまま家路を辿るアオイ。
自宅前、ここにきて初めて二人の少女は向き合って立つ。
「・・あり・・がと。それじゃ・・。」
「・・うん。じゃあね。」
言葉少なに別れの挨拶を告げる二人。
互いが互いに対して何を言えば良いのかが分からない。
だが、挨拶を交わしてからもアオイが家に入る気配が無い。
モジモジとしながら、俯いては顔を上げる、の繰り返しだ。
痺れを切らしたかのように再び別れを告げ、歩き始めたミドリに向かってアオイが追い縋る。
「・・待って・・。お願い・・。」
今日の出来事は誰にも言わないで欲しい。
親にも学校にも言わないつもりだ。
「・・お願い・・。」
「うん。分かってる。」
それでも不安そうな表情を浮かべたアオイを残し、今度こそミドリは自分の家に足を向けた。
※元投稿はこちら >>