近くのコンビニで拾ったワンコ 2
「君…家に帰んないと…風邪…ひくぞ…」
170センチの俺の視界よりも低い位置に
頭があるそこに俺は傘を当てて言葉をかけた。
「あ…ありがとうございます…でも気にしないで
帰るお家…無いんで…」
声を聞くとか細い感じ…顔を覗き込むと
まだ幼い顔をしたショートカットの女の子が
身長にして150センチくらいかな?
少女は俺の顔を正面から見つめていた。
一瞬…ホント一瞬だがドキッとした。
「帰る家が無いって?どういう事?」
「新しいお母さんに怒られて家を追い出されて
だから…帰る家が無いの…」
見た感じ中学生くらいの女の子だった。
「そんじゃ…俺の家に来るか?なんも無いけど」
「え?…いいんですか…」
「仕方ないじゃん…風邪ひくし…」
本来の俺だったらこんな事には関わらない
今日に限ってなんでこんな言葉が出たんだろう?
むしろ面倒臭いし、俺にとってはなんの得もない無駄な事…
それなのに俺は思ってもいない言葉で
女の子に声をかけてしまった。
無垢で真っ直ぐな目で見つめられてしまったからだろうか?
コンビニから歩いて10分弱…
俺が部屋に入るもすぐには女の子は入って来ない
「ほら、早く入って…寒いから…」
そう言うと女の子は下を向いたまま入って来た。
「ほれ、バスタオル…髪の毛…乾かしな…
あとハンガー着てるパーカー…掛けときな」
俺も頭をバスタオルで拭きながらもう1枚を
彼女に渡した。
女の子は俺が言う通りに無言で従った。
パーカーを脱ぐとその下は近くの中学校の
制服だった。
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