優菜の蹴ったボールが僕達が座るベンチの前に転がってくる。そのタイミングを見計らってボールを追って走ってくる覚くんに話し掛ける。
「覚くん……ちょっと話したい事があるんだけどいいかな?隣に座ってくれる?」
覚くんは不思議そうな顔をするも、素直に僕の横に座る。山下さんは覚くんの代わりに優菜とサッカーを始める。
優菜は僕と覚くんが並んで座っているのを見て、落ち着きがないように見える。
「お兄さん…話って何ですか?」
僕は「まあまあ」と言いながら冷たい水を覚くんに渡し、サッカーが好きなんだねとか、勉強頑張ってる?とか他愛ない会話から始まり、少し場が和んだ後核心を突く。
「ところで覚くんて……優菜の事好きなんじゃないかって思うんだけど違う?」
覚くんは一瞬「えっ?」と言う顔をして僕を見上げ、
「違います!優菜ちゃんとは仲のいい友達で…サッカー仲間です。なんで?」
と言うが、スポーツ刈りで真っ黒に日焼けした顔が赤く染まるのがわかった。
「覚くんお祭りの時、優菜の浴衣姿真っ先に似合ってるって言ったよね?それにいつも優菜が公園にサッカーしに来るのを待ってるよね?だから…好きなんじゃないかって思って聞いたんだ。」
「それは…………。」と口ごもる覚くんに、
「気のせいだったらごめんね。でもね…優菜に覚くんの事どう思ってる?って聞いたら気になる人だって言うから、覚くんはどう思ってるのか気になってね。違うならいいよ。優菜にそう伝えておくから。」
とそっけない態度を取ると慌て出し、
「あっ……あの………優菜ちゃんが僕の事気になるって本当ですか?」
おっ……突っ込んで聞いてきた。
「嘘は言わないよ。でも覚くんにその気がないなら仕方ないよね。」
と突き放した態度を取ると、
「違うんです!本当は僕も優菜ちゃんの事が気になって……。」
やっと素直になったか。
「それは優菜の事が好きだと言う意味かな?」
と煽るように聞く。これから思春期を迎える小学4年生。羞恥心も芽生え始め、異性が好きだとはっきり答える子は少ない。覚くんも例外じゃない。もっと幼いと別だが……。
「好きかどうかは……」と口ごもる覚くんに、
「はっきりしなさい!優柔不断では優菜がかわいそうだ。はっきりしないなら今後優菜とは遊ばせない。」
と少し強い口調で言うと覚くんはビクッとし
「………好きです。優菜ちゃんの事が好きです。だから……ごめんなさい。」
と涙ぐんでしまう。ううっ…泣かせてしまった。でも覚くんの気持ちを引き出す為には仕方がなかった。僕は優しい口調で、
「強い口調で言ってごめんね。そうでもしないと覚くん本当の事言わなかったでしょ?
お祭りの時も言ったけど、女の子ってデリケートなんだ。覚くんの年頃だったら好きな子に意地悪したりからかったりするでしょ?それって女の子は本当に嫌なんだよ。いつの間にか嫌われてる。僕にも経験があるからわかる。好きだとはっきり言われた方が女の子は喜ぶんだよ。」
覚くんは僕の話を真剣に聞いている。僕は話を続け、
「お祭りの時みんな優菜の事からかったでしょ?でも覚くんが真っ先に似合ってるとか可愛いって言ったよね?優菜、凄い喜んでたんだよ。」
「………それはお兄さんが本当の事言わなきゃダメだっていうから。」
「覚くんは素直だね。その気持ち大切にしなさい。」
「はいっ!」と元気な返事をする覚くん。
「でも優菜ちゃんは僕の事本当に好きなんですか?」
「覚!男なら優菜にちゃんと聞いてみなさい。本人から聞けば納得するでしょ?」
覚くんはまたビクッとして、
「はいっ!」と返事をする。
僕はサッカーをしている優菜にこっちに来るように合図をすると、優菜は気になっていたようで僕達の方へ走って来る。息を切らし、
「はぁ…はぁ…お兄ちゃん!覚と何話してたの?」と怒った顔をする。
僕は覚くんを見て、
「覚くん……優菜に何か言う事があるんだよね?」
と言うとベンチから立ち上がり優菜の前に立ちゆっくり深呼吸する覚くん。
「優菜ちゃん…僕の事どう思ってる?」
と聞くから僕はまた強い口調で、
「覚!違うでしょ?まずは自分の気持ちを伝えるのが先。返事はそれから。わかった?」
と言うと覚悟を決め、
「優菜ちゃん…僕、前から優菜ちゃんの事気になってたというか……好きだった。だから優菜ちゃんが僕の事どう思ってるか知りたい。」
優菜といきなり告白されびっくりして僕や山下さんの顔を見上げる。その顔は真っ赤。
「……………。」返事に困っている優菜に僕は、
「優菜…覚くんが勇気出して告白したんだ。僕や山下さんに気を使わなくていいから自分の気持ちをはっきり言いなさい」
と言うと優菜は覚くんをじっと見つめ、
「………嬉しい。優菜も覚くんの事気になってた。お祭りの時優菜の浴衣姿可愛いっ言ってくれて嬉しかった。私も覚の事好き。」
と言うと優菜と覚くんの緊張が一気に解れたのか2人とも涙ぐんでしまう。
2人とも可愛いぞ。
僕は2人の頭をよしよしするように撫で、
「2人とも正直な気持ち言えて良かったね。内心僕もほっとしているよ。覚くん…僕の言った通りだったでしょ?勇気を出して言ってみるもんだね。」
覚くんは僕を見上げ、
「お兄さん……ありがとうございます。優菜ちゃんが僕の事好きだって言ってくれて嬉しかった。」
優菜も僕を見上げ、
「お兄ちゃん…ありがとう。優菜も覚くんの気持ちがわかって嬉しかった。」
ふうっ……良かった良かった。でもまだまだこれからやる事がたくさんある。
僕は2人に、
「告白して好き同士になったと言う事は、付き合うと言う意味だよ。わかる?」
優菜は多分わかってるはず。付き合うイコールセックスだと言う事を。でも覚くんはわからない。覚くんは顔を左右に振り、
「………付き合う。わからないです。」
と言う。僕は覚くんに、
「恋人になったと言う事。お互い好きだと気持ちがわかってて一緒に遊んだりするのって楽しいでしょ?付き合う事はどういう事なのかは僕達が順を追って教えてあげる。まずはお互いの気持ちを高めるキスからかな?」
と言うと覚くんは顔を真っ赤に染め、
「えっ?…キスって……えっ……」
優菜も覚くんに合わせるように顔を真っ赤に染める。
おいおい……あれだけセックスして、おまけにお尻でも肉棒を飲み込んでイクイクッて何度も登り詰めておいて、キスぐらいで顔を赤らめるのか……。やはり気持ちと言うものは大切だ。精神的な喜びと肉体的な喜び……その2つが合わさると快感もより強く感じる。
「ほら…覚くんどうしていいのか困ってるよ。優菜が覚くんを導いてあげないと。」
僕は2人の手を引き、公園のトイレの裏の誰からも死角になった場所に連れていく。
優菜は覚くんを見つめ、
「覚……好き。」
覚くんも真っ赤な顔で優菜を見つめ、
「優菜ちゃん…好き。」
とお互いの気持ちを伝え合う。
身長は2人とも同じぐらいの高さ。優菜はゆっくり覚くんに顔を近づけ、
………チュッ。
とキスをする。優菜の唇が触れた瞬間ビクッと震える覚。2人とも可愛いぞ。
優菜は唇を離すと、
「今度は覚からして!」と言う。積極的な優菜に僕も山下さんもびっくりするが、もっとびっくりしてるのは覚くん。優菜に言われて体がガチガチに緊張している。
「優菜ちゃん……好き。」
と言い優菜の小さな唇にキスをする覚。
僕と山下さんは2人の頭を優しく撫で、
「2人ともよく出来ました。」
と誉めると優菜はニコッと笑うも、覚くんは恥ずかしそうに自分の股関を両手で押さえている。理由はわかってるがあえて僕は覚くんに、「どうした?」と聞く。すると案の定、
「ドキドキして……キスしたらあそこが痛くなって……」
と言ってくる。勃起したんだろうな~。勃起の意味もまだわからない覚。まだ敏感な部分が皮に包まれたままで痛いんだろう。
これは早く解放してあげたほうがいい。
優菜は心配そうな顔で僕を見上げる。
「覚…どうしちゃったの?大丈夫なの?」
「うん…大丈夫だよ。覚くん…ゆっくり深呼吸して気持ちを落ち着かせてごらん。」
と言うと覚くんはゆっくり深呼吸を始める。暫くすると痛みが治まってきたようで、
「はぁ…はぁ…大丈夫。治ってきました。」
僕は覚くんと目線を合わせるようにしゃがみ、「覚くん……オチンチンが大きくなってきたんでしょ?」と聞くと恥ずかしそうにコクンと頷く。
「やっぱり……。覚くんのオチンチン、先っぽがまだ皮を被ってて興奮すると大きくなって引っ張られて痛いと感じるんだ。これから優菜とキスする度、痛かったら困るよね?」
覚くんは泣きそうな顔で、
「僕……どうしたらいいの?」
と聞いてくる。僕はニコッと笑い、
「あのね…その皮をゆっくり剥いで大きくなるの時の妨げにならないようにすればいいんだが。最初は少し痛いかもしれないけど…優菜にしてもらえば我慢出来るよね?」
またまた覚くんはびっくりした顔をし、
「えっ?優菜ちゃんにしてもらうって……見られちゃうっつて事?ええっ……」
無理はない。大好きな子に見られちゃう恥ずかしさ。羞恥心が芽生え始めた証拠。
「僕がするより優菜ちゃんにしてもらった方が嬉しいでしょ?な?優菜もそう思うよね?」
と優菜を見ると恥ずかしそうな顔をするも、
「覚が痛いなら…苦しいなら優菜がしてあげる。覚…いいよね?」
と言うと想像したのかまた覚くんが股関を両手で押さえる。まあ…敏感に反応する事。
慌ててゆっくり深呼吸する覚。
「…………優菜ちゃん、お願いします。」
と恥ずかしそうに返す。
僕は覚くんに、
「今からお家に帰って優菜の家で勉強してくるって両親に言っておいで。それから優菜の家に来なさい。ちゃんと連絡しておかないとご両親が心配するから。それから…優菜と付き合ってる事、キスした事。これからする事は絶対秘密だからね。誰かに言ったら優菜ちゃんとの恋は終わりだから。わかったね?」
と念を押す。覚くんは、
「はいっ!絶対秘密にします。優菜ちゃんと付き合いたいです。」
と元気に返事をしボールを手に取ると走って家に帰っていく。優菜は僕を見上げ、
「お兄ちゃん……なんだかドキドキする。覚くんに好きと言われて嬉しかった。ありがとう。優菜ね…大好きな覚くんにいっぱい気持ちよくなって欲しいって思う。だから…色々教えて!おじちゃんも…ありがとう。色々教えて下さい。」
僕と山下さんは顔を見合せニコッと笑い、
「優菜ちゃん…大好きな覚くんにいっぱい気持ちよくなって貰おうね。頑張るんだよ。」
「はいっ!」
と元気良く返事をし3人家に戻っていく。
ふうっ…ここまでは上手くいった。穂乃花に見られる前に早く帰らないと。
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