バーベキューの後片付けは僕達の仕事。
参加者達は自然の家に戻り自由時間を楽しむ。
ひなはというと、やはり僕以外の人とは馴染めないらしく、自由時間だというのに母親と一緒に後片付けを手伝ってくれた。もちろん館長も一緒。
後片付けを済ませ一緒に自然の家に戻ると、館長と母親が何やら話をしている。
館長と話し終わると母親は僕に、
「倉田さん…。消灯後館長の部屋でお話する事になって。私だけの参加じゃないですよ。他の親も参加するんです。お酒を飲みながらのお話会なんですが…」
嘘だ……他の親なんか参加するわけない。そんな事わかってる。まあ…僕と娘の手前、しょうがない。
「倉田さん……ひなひとりで寝るの不安だと思うので、
面倒見てもらってもいいですか?迷惑だったら館長と
のお話会の参加やめますので……」
申し訳なさそうに僕に話す母親。内心嬉しさがこみ上げ来るのを押さえ、
「お母さん僕は大丈夫ですよ。ひなちゃんさえ良ければ……僕の部屋でお休みする?」
とひなの様子が伺う。母親もひなの様子を伺っているようだ。ひなは僕の服を恥ずかしそうに掴み、
「ママ……ひなは大丈夫。お兄さんと一緒なら怖くないしお休み出来ると思う。お兄さん……お願いします。」
母親のほっとした顔が印象的だった。結論は決まっていたが、母親は僕とひなの関係は知るわけがない。
「倉田さんに甘えてばかりですいません。宜しくお願いします。」
「こちらこそ……安心して参加してきて下さい。消灯前、少し早めにひなちゃんを迎えに行きますから。」
展開は予想していたが、母親からお願いされるとは、信頼されているのもあるが、女に目覚めたな。
館長ほどほどに……。
僕は笑顔でひなとハイタッチしその場を離れた。
高まる気持ち…ひなも僕と同じ気持ちだろう。
忘れられない夜にしてあげないと。
お風呂に入った後、少し早めにひなを迎えにいった。
木原親子の部屋に入り、
「ひなちゃん……迎えに来たよ」
ひなちゃんは薄手のアイボリーに柄の入ったパジャマ姿。お下げ風に結んでいた長い髪を降ろした顔は少し大人びた顔をしている。前回のジャージと違って可愛いパジャマ。ドキドキしてくる。
母親は丁寧にお辞儀をし、
「倉田さん……宜しくお願いします。ひな、倉田さんに迷惑かけないよいうにね。」
「……うん。ママわかってる。」
僕も母親にお辞儀をし、ひなの小さな手を引いて部屋を出た。
部屋を出た後ひなに聞いてみる。
「ひな…ドキドキしてるでしょ?」
ひなは恥ずかしそうに頷くだけ。相変わらず可愛い。
まだ消灯時間には早い。そのまま僕の部屋に向かっても良かったが、緊張を少し解いてあげないと。
あまりにも緊張すると…人は何があったのか覚えていない場合があるからね。
ひなには今から起こる事をしっかり覚えておいてもらわないと……。でも緊張はするだろう。
「ひな……お部屋に行く前にちょっと付き合って!」
えっ?とびっくりするひな。そのまま手を引いて自然の家の屋上へと向かう。
普通屋上は立入禁止。でも僕は違う。屋上への扉の鍵を開け、広いバルコニーをひなを連れ歩いていく。
ひなはおどおどしている。
「お兄さん……ここは?」
「ひな……空見てごらん」
人里離れた山の頂き付近にある自然の家。都会のような明るさはない。
「わあっ!星がきれいっ!」
「でしょ?周りに余計な光がないから星が綺麗に見えるんだ。ひなちゃんと一緒に見たかった。」
「お兄さん…ありがとう。こんな綺麗な星が見えるなんて。ひなプラネタリウムでしか見たことなかった」
暗い中でもひなの嬉しそうな顔が見える。
「天の川綺麗に見えるでしょ?あっちが彦星でこっちが織姫。まるで僕とひなみたいだね。」
「お兄さんが彦星でひなが織姫?」
僕はひなの小さな肩を優しく抱き、
「だって1ヶ月に一度しか会えないから。好きなのに自由に会えないなんて、まるで僕とひな」
ひなの肩が震えているのがわかる。
「ひな……どうした?泣いてる?」
ひなはパジャマの袖で涙を拭き、
「だって明日になったらまたお兄さんとお別れしないといけないって思うと悲しくなっちゃって。せっかく星の綺麗な場所に連れてきてもらったのに…泣いてごめんなさい」
いじらしさが可愛い。自分の気持ちがしっかり言えるようになった。僕はひなと目線を合わせるようにしゃがみ、小さな肩に両手を置き見つめる。
暗くても潤んだ瞳が見える。
「ひな…僕も同じ気持ちだよ。だから悲しい事なんか忘れるぐらい楽しもっ!いっぱい思い出作ろっ!」
そのままひなの小さな唇に唇を寄せる。教えてもいないのに、ひなは僕の首に両手を回し抱きついてくる。
僕もひなの小さな体をギュッと抱き締め、キスをし舌を絡めていく。長い長いキス……。唾液が溢れ、一生懸命飲み込むひな。飲み込む度ビクッと震える小さな体。
チュッ…チュッ…ピチャッ……チュッ。
唇を離しひなを見つめ、
「ひな……消灯時間も過ぎたからお部屋行こうか?」
「………うん。」
自分から僕の手を握ってくるひな。ひなの気持ちを大切にしてあげないと。また小学5年生。……エッチな事でドキドキする前に感情を揺さぶってドキドキさせることが大事。感情の高まりがひなを大胆にさせ、自然にエッチへと導く。ひなの覚悟が固まっていくだろう。女の子は、たまにはベタな事も必要なんです。
そのまま屋上を後にして僕の部屋に向かう。
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