母親が帰るのを2人で見届ける。
僕は穂乃花をリラックスさせるため、露店を見ながら少し歩こうと言うと、「うん!」と頷く穂乃花。
2人並んで歩き始めるが、手を繋ぐのはまだ。公園で手を繋いだとはいえ、触れられる事にまだ抵抗があるかもしれない。昨日のように「触らないで!」なんて言われるとショックだ。まずは距離を縮めないと。
穂乃花と並んで歩くだけでドキドキしてくる。
すれ違う男達のほとんどが、穂乃花を視線で追ってくる。それだけ穂乃花は可愛い。その横で歩く僕はどう思われているだろうか。
途中で射的や輪投げを楽しみ2人結構もりあがる。
「穂乃花ちゃん…あっ……おしい!もう少し!」
「お兄さん…輪投げ上手!凄いっ…景品取れた!」
景品の小さなぬいぐるみを穂乃花に渡し、
「これ穂乃花ちゃんにあげる。昔からこういうゲームにセンスあるんだよね。なんて……偶然だよ。」
穂乃花は嬉しそうに、ぬいぐるみを受け取り、
「お兄さん…ありがとう!楽しいっ!」
僕は穂乃花の耳元で、
「穂乃花…手を繋いでもいい?」
と聞くと恥ずかしそうに顔を真っ赤に染め、コクンと頷く穂乃花。そっと穂乃花の手を握ると、ビクッと震えるのがわかる。
「穂乃花…大丈夫?無理しなくてもいいんだよ。」
真っ赤な顔で僕を見上げる穂乃花。僕の身長は175センチほど…穂乃花の身長は高いとはいえ、155センチぐらい。僕とはまだ20センチの差がある。
「無理してない……。お兄さんと公園のベンチで手を繋いでも大丈夫だったから。お兄さんなら大丈夫。」
嬉しい事を言ってくれる。
「穂乃花…少しずつ色んな事、克服していこうね。」
穂乃花の細くて長い指、少し汗ばんでる手のひら。
穂乃花を感じていると…早く早くもっと先に進みたいという気持ちが強くなってくる。焦るな……。
「昨日までは触れないでって無意識に思ってたけど、
今は違うの。お兄さんに触れたいって自分から思ってる。…………お兄さんは特別な人。初めて自分から好きになった人だから。」
一度僕にに好きと告白してからいきなり積極的になった穂乃花。穂乃花から告白されても僕はまだ返事をしていない。
これからの穂乃花次第だと言ったのは、穂乃花をもっともっと僕に惚れさせる為。
思春期真っ只中の女の子は…好きな人の事を考えれば考えるほど自分の中の気持ちが高まってくる。
いつも男から可愛いとか綺麗とか言われるばかりだった穂乃花。だから自分から好きになった相手にどうしたら振り向いて貰えるか…その辺りはうぶで不器用なんだろう。僕が穂乃花を好きになる……それはセックスだと言う事をじっくり教えていかないと。
公園で穂乃花とセックスする前提での話は、成り行きだった。今一度穂乃花の気持ちを確かめ意識させる。
意識すればするほどその事しか考えられなくなっていくだろう。
「穂乃花…初めて好きになった人と言ってくれて嬉しいよ。」
優しく微笑むと穂乃花は、
「公園でお兄さんは、穂乃花次第だって言った。私の事好きになってもらう為に…私どう頑張ったらいいのかわからない。自分に正直になりなさいって言われても……」
目に涙が浮かんでるのがわかる。
僕は穂乃花の頭をポンポンと優しく撫でると耳元で、
「穂乃花がどれだけ僕の事が好きなのか……確かめたい。いいかい穂乃花……人を好きになるという事は素晴らしい。でも見返りを求めてはいけないんだよ。
穂乃花は僕の事が好き…それだけでいいじゃないか。
好きな人の為にとことん尽くす。尽くして尽くしてその結果…僕が穂乃花の事好きになるかもしれない。」
ショックだったのかますます目が潤んでくる。
「穂乃花が可愛いくて綺麗な事は間違いないから。
僕も周りの男の人と同じように穂乃花の事可愛いとそう思ってる。ただ…穂乃花の最初の印象が強くて、僕の事好きなのは一時的な思いなんじゃないかって。僕が穂乃花の事好きになったのに直ぐに振られてしまうのが不安なの。わかる?」
穂乃花は涙を拭い、
「穂乃花の思いが一時的なものかもしれないって…。お兄さん、逆に穂乃花の事心配してくれてたの?穂乃花の、自分の気持ちを確かめる時間をくれるという事?」
穂乃花はやっぱり6年生。ひなや優菜と違って考え方が大人だ。僕の意図している事を理解できる。
「よくわかったね。穂乃花の僕への思いが確かなものか、僕の為にどう尽くしてくれるのか…気持ちが変わらないか…。穂乃花の心と体全てを僕にさらけ出して欲しい…。そうしたら穂乃花の事全力で受け止めるから。」
穂乃花は僕の目を見つめ、
「穂乃花、心と体全てをお兄さんにさらけ出すもん。
穂乃花の気持ちが一時的じゃない事、お兄さんにわかってもらうから。穂乃花をわかってもらう…………セックスする。お兄さんとセックスしたい。」
僕は慌てて穂乃花の口を手で覆い、
「だめでしょ?周り聞こえちゃうから。」
穂乃花自身も自分の言葉にびっくりしたようだ。好きという気持ちが強くなってくると周りが見えなくなってくる。そう…それでいいんだよ。
周りが見えなくなってくると……恥ずかしい事にだんだん抵抗がなくなってくるからね。
「お兄さんごめんなさい…自分でもびっくりしてる。
穂乃花…お兄さんに好きになって貰えるように何でも頑張る!」
僕は穂乃花の手を引っ張り露店と露店の間にそっと連れていき、少ししゃがみおでこにチュッとキスをする。いきなりおでこにキスされ固まってしまう穂乃花。ううっ……可愛いぞ。
「いきなりキスしてごめんね。今のはご褒美。穂乃花のやる気が伝わってきたからね。」
穂乃花は恥ずかしそうに僕を見つめ、
「ドキッとした。お兄さん…穂乃花の事好きになった?」
僕は笑いながら、
「そうだな~。少しだけね。」
頬っぺたを膨らませる穂乃花。
「絶対お兄さんを好きにさせて見せるから!」
まずはおでこ…。おでこにキスされても抵抗はなかった。穂乃花のやる気は伝わったが、まだ無意識に嫌がってしまうかもしれないのが心配。慎重になおかつ大胆に……優菜を導いてあげないと。
まだ穂乃花は小学6年生。
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