丁度一時間後、タクシーに乗り母親が帰って来る。
さすがに館長と一緒ではなかった。
優菜は玄関まで走って母親を迎えにいく。母親にギュッと抱き付いてる優菜を見ると、寂しかったのかなと思う。優菜はまだ4年生だしね。
母親が僕に向かって深くお辞儀をし、
「倉田さん……ありがとうございました。優菜おりこうにしてましたか?迷惑かけてませんか?」
と心配そうに聞いてくる。
「いえいえ……優菜ちゃんはちゃんとしてましたよ。
夜も早く寝て、さっきまで公園でサッカーしてました。ね?優菜ちゃん。」
と優菜に視線を送ると元気良く、
「うん!お兄ちゃんにいっぱい遊んでもらった。楽しかったよ。」
母親は安心した顔を浮かべる。早く寝たのは嘘だけど…おりこうさんにしてたね。いっぱい遊んでいっぱいイッて、セックスも覚えて。濃い1日だった。
母親の顔を見ていると…さっきまで優菜とセックスしてた事に罪悪感を感じてしまう。
母親も館長とさんざんしてきたんだから…きっと罪悪感を感じてるだろう。
リビングのテーブルを囲み、お茶とお菓子を食べながらリラックスした時間を過ごす。
母親とは今後の家庭教師の話をし、優菜は、落ち着きないように見えて実は案外しっかりしてると誉めておいた。母親の前で僕に誉められ嬉しそうな顔をする優菜。母親は、
「優菜のしっかりしてる姿なんて私でも見たことないのに、倉田さんに優菜をお願いして良かったです。」
ますます母親の信頼を得た感じだ。母親も楽しみ、優菜も楽しみ僕も楽しむ。3人ともに良い思いが出来たのは良かった。
優菜は今日も僕とお祭りに行く気満々。でも穂乃花との約束もある。どうしたものか……。
そんな事を考えながら優菜と暫くテレビゲームをして遊んでいると、途中でうとうとし出す。
それはそうだろう…いくら体力のある優菜だって昨日あれだけイッたんだ。おまけに初めてのセックスを経験し…さっきもサッカーしてセックスして。疲れてないわけない。それに母親も帰ってきて安心したんだろう。
うとうとし出す優菜を見て母親が、
「このまま寝かしましょうか?倉田さんも疲れたでしょ?今日のお祭りまで優菜に付き合わせたら申し訳なくて。」
おっ……ここで優菜が寝てくれれば有難いが、
「優菜ちゃん楽しみにしてたけど、良かったですか?僕は疲れてないですし、平気ですけど。優菜ちゃんが起きた時残念に思わなければいいんですが…。」
と残念を装ってみる。母親は、
「倉田さん…このまま優菜を寝かせますね。また家庭教師で会えますし……良かったらまた今度遊んで貰えますか?」
「もちろんです。遊びだけじゃなくしっかり勉強教えますので宜しくお願いします。」
と会話を交わし、いらないと言ったのに今回のお礼だとお金の入ったのし袋を頂いた。
優菜と気持ちいい事いっぱいし初めてを頂き、おまけにお金まで。良かった良かった。
次回の家庭教師の打ち合わせを終えると、優菜の家を後にしお祭り会場へと車を走らせる。
昨日停めた駐車場へ車を停める。
穂乃花はどんな格好でお祭りに来るだろうか。昨日のように浴衣か……。想像を膨らませながら夕方の露店を見ながら歩く。
昨日も思ったが……ここは天国か。浴衣姿の可愛らしい女の子達がたくさんいる。いかんいかん…あまり見てると怪しい人だと思われてしまう。
暫く歩いていると前から浴衣姿の穂乃花が僕を見つけて走ってくる。おっ………やっと会えた。やはり可愛い……ピンクの花柄の浴衣にポニーテール、ピンクのお花の髪飾り。Tシャツのように胸の膨らみは浴衣からはあまりわからないが、首筋、襟元が色っぽくてゾクゾクしてくる。
昨日と違う事……それは穂乃花の横に母親がいる。
これは予想外………残念。そう思っていると穂乃花が、
「お兄さん……こんにちは。こっちは私のお母さん。」
穂乃花の母親は僕にお辞儀をして、
「倉田さん……娘がお世話になったみたいで。優菜ちゃんの家庭教師だと言う事も聞いてます。公園で一緒にサッカーで遊んでもらったみたいでありがとうございます。」
ん?倉田さん……僕の名前を言った覚えは無いが。
穂乃花の母親…これまた館長の好みだ。身長は160は越えてる。すらっとした体型。年は35,6か。
穂乃花と顔が良く似て小さく可愛らしい。
「いえいえ……どういたしまして」
すると穂乃花が写真を取り出し僕に見せる。
それは自然の家での集合写真に、楽しく遺跡発掘している写真。そこに僕の姿が写っている。
「お兄さん…これ1年前の写真。これお兄さんでしょ?
その横に写ってるの年生の私だよ。何処かで会った事ある気がするって言ったでしょ?思い出して写真探したらやっぱりお兄さんだった。」
びっくり……。これは僕が大学1年生の時。そしてその他大勢の中に穂乃花が写っている。まだ自然の家でボランティアを始めたばかりの頃。
写真と穂乃花を交互に見て、
「これが穂乃花ちゃん?1年前と全然イメージが違うね。びっくり!」
5年生に成り立ての穂乃花。ひなより少し大きく……髪も短い。でも可愛さは今と変わらない。どうして覚えてないのか……。
まだボランティアを始めたばかりで、子供達の顔なんか覚る余裕なんかなかった。あの頃は純粋だったな~。いかんいかん……今も純粋に幼い女の子が好きなだけ。母親が、
「自然の家に行ったのは、これ一回だけなんです。倉田さんが覚えてないのは当然だと思います。でも私と娘は覚えてました。あの時はとても親切にしてくれて……ありがとうございました。倉田さん忙しそうで、穂乃花一緒に遊びたいって思ってたけど、遠慮してしまったみたいです。」
何処かで会った事ある……それだけ僕の印象が良かったと言う事か。一回だけ……そうか、多分それから穂乃花は痴漢に会ったのか。僕の印象が良かったら次も来るはず。男性を不潔に思うようになったから。後で穂乃花に聞いてみるか。
僕は母親に、あれからも自然の家でボランティアをし教師を目指している事。同じ学校に通う優菜とひなも自然の家で仲良くなり家庭教師をする事になった事を説明すると、ちらっと穂乃花を見て、
「穂乃花来年、私立受けるんです。もう少し成績があがってくれるといいんですけど。穂乃花も倉田さんに家庭教師頼みたいって、無理じゃなかったらうちの穂乃花も教えてくれませんか?」
おいおいまじか……。話の展開が早いぞ。僕をそんなに信用して大丈夫か?
母親の言葉に穂乃花が慌てて、
「お母さん!倉田さんに家庭教師してなんて私お願いしてないよ。お母さんが勝手に……」
母親は笑いながら、
「勝手にじゃないでしょ。穂乃花が私に言ったんだからね。それに教師を目指して自然の家でボランティアもして一生懸命な倉田さん…是非お願いしたいです。それをお願いしたくて倉田さんに会いに娘と一緒に来ました。」
穂乃花は顔を真っ赤に染め恥ずかしそうに黙ってしまう。ひな、優菜、穂乃花続けて家庭教師をするのか……嬉しいが僕の体がもつかどうか。
「私立の受験まであと半年ですね。僕で力になれば家庭教師をさせて頂きます。」
その後母親と連絡先を交換する。
穂乃花の家庭環境は?父親は……他に兄弟姉妹がいるのか。穂乃花から聞いておかないといけない。
穂乃花との関係を深めていくには、両親の信頼が不可欠だと思っていたが、知らないところで信頼を得ていたらしい。
母親は、
「穂乃花…倉田さんとお祭り楽しんでおいで。後で迎えに来るから。」
ひなの母親といい、優菜の母親といい、穂乃花の母親も。最近の母親は放任主義なのか。
僕は穂乃花の母親に、
「迷惑じゃなければ、僕が穂乃花ちゃんを家まで送って行きますよ。」
穂乃花の家の様子も見てみたいし、母親が迎えにくる時間を気にしなくていいから。
母親は申し訳なさそうに、
「穂乃花さえ良ければ……お願いします」
穂乃花は大丈夫だと母親に伝えている。
軽く会釈しそのまま母親は帰っていく。連絡先も交換したり僕の素性もわかってるからだろう。
ふうっ……一時は母親と穂乃花3人でお祭りかと思ったが、これで穂乃花と2人きりになれた。
まずはお祭りを楽しんで穂乃花の気持ちをリラックスさせないと。
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