「あ、あれ?」
「僕のくすぐり攻撃が効かなくなるなんて、そんな馬鹿な」
くすぐりに反応をしなくなった香帆ちゃんは、ぐったりと脱力して、はあっ、はあっと息を荒げていました。
香帆ちゃんの身体が僕にもたれて、何ともいえない、いい匂いのする髪の毛が顔に当たります。
「僕くん、香帆ちゃんまた、演技をしているのかも」
「そうだな、さっきみたいに、騙されるんじゃないぞ」
僕がちょうど声を発した時、香帆ちゃんの耳が口に当たりました。
と同時に「きゃ」っと短い悲鳴を上げる香帆ちゃん。
僕は、おもわず今の反応を確かめるように、口を耳元に寄せてくっつけました。
「あ、あっ」「はぁっ」
身体がビクッと反応しています。
「ふぅうぅっ、すぅううぅっ」
目をぎゅっと固く瞑り、声を殺すように息をする香帆ちゃん、僕は、なにか必死に耐えているようにも感じました。
「じゃあ、これはどうだ」
おもわず僕は、香帆ちゃんの耳にキスをしていました。
耳の縁から耳たぶ、耳の孔にスタンプを押すように、唇をつけていきます。
今度は、身体が、ビクビクッと細かく震えています。
「うっ、はあっ、ああっんッ」
初めて聞く、艶っぽい声に僕もケイタ君も、おもわず手を止めて顔を見合わせます。
お互いその声に、理性が吹き飛んでいました。
ケイタ君も顔を香帆ちゃんに寄せて、僕と同じように耳やうなじに、あからさまにチュッ、チュッと音を立てて、キスを始めます。
ケイタ君の大胆なキスに僕も負けじとほっぺたやうなじにキスを始めました。
「あっ、あっ、だ、だ、はあっ、はあぁっ」
明らかに、息が速くなり、既に顔も真っ赤になっていました。
「エッチ仮面様ッ、ここッ」
「これですッ」
そう言って指を指したのは、ワンピースの首元から背中にあるファスナーです。
「ど、どうします?」
正直僕は、そこまで考えていませんでした。
とっくの昔に香帆ちゃんに反撃されて、しょぼくれて終わっているはずなのに。
手を後ろにして、まるで自分から虐めて欲しいみたいにするから、こうなった訳だし。
そう、香帆ちゃんが、もう止めてって、言えば、止めてるのに。
そうだ、やめてって言われたら、すんなりやめよう。」
さすがにファスナー下げたら、そう言うだろう。
そうだ、それで終わりでいいじゃん。
そんな身勝手な結論を出します。
いざファスナーを持つと手が震えていました。
ケイタ君と目で合図をします。
「いくぞっ」「ごくっ」
髪を挟まないようにして、ファスナーを下ろします。
一気に下げようとしましたが、力加減がわからず途中で裏地に引っ掛けてしまいました。
ヤバい。
早くしないと、騒がれて、やめてって言われちまう。
「どう?うまく下りない?」
ケイタっ余計な事、言わないでくれっ。
焦った僕は、引っ掛かった裏地を外そうとファスナーを引っ張ります。
香帆ちゃんも、これ以上引っ張られないよう服を引き、押さえます。
同時に力が加わったのか、プッという音と共にファスナーが一気に開いて背中が露わになりました。
お互い無言でしたが、僕は、香帆ちゃんの腕を持ち、ケイタは、持ち上げた腕の隙間に服を通して、脱がし始めました。
片腕を脱がせると、僕は無意識にTシャツを脱ぎ、上半身裸になりました。
香帆ちゃんは、息を荒げながら、必死に手で胸を隠して抵抗していました。
ケイタは、もう片方の腕を引き剥がそうとしますが、上手く行かず「僕くん、そっちから引っ張ってッ」と僕に声をかけます。
香帆ちゃんは、うずくまり、身体を丸めて必死の抵抗を見せますが、裸の僕が後ろから抱きつき肌を密着させると、「ああぁ~っ」と観念したような、今まで聞いたことのない声を上げて、脱力していきました。
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