ロッジでの1週間、俺は主に、スキー客相手のスキー教室で、インストラクターの手伝いをし、ゆきは社長との面談のあと、食堂や、宿泊客の部屋のセッティングとかを手伝った。
これまでは、雪山に来る時はスキー客だったし、自分の技術の上達の事しか考えてなかった。
だが、インストラクターという仕事を職業として見てみると、意外と奥が深い。たくさんの気遣いや工夫が必要だし、ただスキーが好きでうまいというだけでは、とても務まりそうにない。
俺は面白くなり、当初の目的だった『ゆきにこのロッジで働くイメージを持たせる』ということはすっかり忘れ、夢中になってしまった。でも結果的にはそれが良かったようだ。
予定の1週間が過ぎ、帰りの車のなかでゆきは「ホントにいいの?」と聞いてきた。
俺が「見てて分かっただろ?もっと早くこうするべきだったんだ。ゆきも、楽しかっただろ?」と答えると、ゆきは真剣な顔で、ゆっくりと頷いた。
そして3月。ゆきの卒業を待って、俺はアパートを引き払い、ゆきを連れて、社長がロッジの近くに用意してくれたログハウスに引っ越した。
間もなく雪が溶けてスキーシーズンは終わったが、シーズン中に傷んだ設備の修理や、春からの登山客を迎える準備など、やることはいくらでもあった。
ゆきの進学については、通信制の高校に行かせる事にした。それなら山の上のロッジにいても勉強ができるし、元々成績がよく、意志も強いゆきのこと、卒業まで続けられるだろう。
ログハウスで暮らし始めてから、俺たちは避妊をやめた。寝室に大きなダブルベッドを運び込み、真っ白いシーツを敷いて、仕事が終わったあと毎晩激しく求めあった。
その頃はもう、ゆきも挿入で感じられるようになっていたが、俺がフィニッシュを迎え、生で膣内で出すと必ず
「はぁ~っ…」
と、満足げな声を出した。子宮に精液を注がれたことを歓迎するかのように。
この調子でいけば、間もなく妊娠するだろう。16やそこらで妊娠、出産など、いくらなんでも早すぎる気がするが、ゆきがそれを望んでいるなら、それもいいかも知れない。
結局俺は、バスツアーで偶然出会った天使のような少女のために、人生を大きく変えてしまった。
山で暮らし、子を持ち、家庭を築いて行くことに不安がないといえば嘘になるが、幸せだ。
どんな奴の人生にも、1度くらいはファンタジードラマのような出会いがあるだろう。俺は幸運にもそれを、自分の生活につなげる事ができた。
この幸せを壊さないよう、ゆきに悲しい想いをさせないよう、がんばり続けること。それが今の俺の目標であり、生きがいなのだ。
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