初夏とはいっても30度のプールに1時間入れば身体が冷える。その身体を40度のお湯が温める。ほんのり桃色に染まる美桜の頬。「あー熱くなってきたぁ、くらくらするぅ」「階段、気をつけてよ、高志先生、美桜を下まで連れてってあげて」陽子先生は俺の名前を毎回美桜の前で呼ぶ。4月から週2回、毎回のこと。最初の頃は美桜の横を歩くだけだった。小学2、3年生なら手をつなぐが、美桜は小学6年生。性的な羞恥心はないが、子ども扱いされる恥ずかしさがあったんだと思う。
5月末、美桜がシャワー室で足を滑らせた。咄嗟に美桜の頭をかばいふたりで倒れこむ。俺の左肩がフロアに打ち付けられた。「美桜、大丈夫?」キョトンとした表情で、「あ、ぅん」「よかったぁ、あっ」
気づいたら美桜の身体に覆い被さっていた。俺の唇の5㎝のところに美桜の唇。『美桜にキスしたい』それをなんとか我慢。でも美桜を抱きしめた。プールの中ででは何度も身体を密着させているが、陸上では初めてのこと。やわらかい。美桜の心臓のドキドキが伝わる。抱きしめ美桜の耳元で「痛いとこ、ない?」「あ、ぅん。」「手、繋ごうな」「うん」
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