二人は振り向いて私の方を見上げていた。
思わず声かけしてしまって後のことを考えてなかった。とにかく悪戯できそうなこの場所に引き留めたかったのである。
私は咄嗟にポケットの小銭入れを出した。
中学生の寂しい財布の中には100円玉が7枚程度あった。
「あ、ああ、ジュース買ってきてあげるからさ、一緒に飲まないかなあ?」
女の子二人が笑顔になった。
「エ~、いいの?飲む飲む槌」
時は約30年前である。こんな誘いが楽々通用するのだ。
私は狭い路地に二人を待たせて、
さっき通ってきた道沿いの自販機に向かう。
その途中、
(あれ、こんなところあったんだ。)
横道に小さな下り階段がある。階段の先は通路のようだが黄色と黒の縄で「危険、通行禁止」となっている。
(最高の場所、あった。)
私は自分の飲み物と女の子二人の好きそうなジュースを買って戻った。女の子たちは笑顔で迎えてくれた。
「好きなの飲んでね」と言うとそれぞれオレンジジュース、メロンソーダを取り、私は残ったグレープジュースになった。
「あのさ、あっちに座れるとこあるから、行こうか。」そう言ってさっきの階段の所に連れて行く。
今では考えられないほどこのくらいの年齢の子には警戒心がない。簡単に誘いこめた。
二人は階段の下から3段目に並んで座った。
私は缶を開けてあげて、渡し、
二人の正面に正対して座った。
私の目の高さに女の子の膝あたりが来るように。
名前は名札で分かった。
デニムスカートの子は「かよちゃん」
横縞ワンピースの子は「ちさとちゃん」
いつも一緒にいるお友だちどうしと言って笑っていた。
そんな中、正対する私の目には既に入っていた。
足を無防備に開いたり、膝を立てたり、落ち着かないかよちゃん、ちさとちゃんのスカートの中の、可愛らしい、
こどもパンツが。
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