中学性日記 19
教室に入るやいなやみんなから
「おはよ~」「久しぶり~」なんて
声をかけられる。
(この子達は春休み明けの久しぶり
俺は人生においての久しぶり)
俺は14年振りに会う当時の同級生を前にして
少し戸惑っていた。「お、おう…久しぶり…」
「またあんたと同じクラスなの~キャハハ」
この生意気なことを言ってきたのはクラスメートの
スズカ…名前は女の子なのに男勝りの性格で女ガキ大将…家が近いので小さい頃からよく
プロレスごっこをして遊んだものだ。
世間一般的には幼なじみという
大人になったスズカはどうしてたっけ?
「うっせーよ!ユカリ、俺は高校卒業したら
こんな町から出ていってやるからな~」
「ビビリのカケルに出来るわけないじゃん」
そう言ってまたスズカはからかうように笑った。
不思議な感覚とまだ実感のわかない状態で
何となく始業式を終えてこの日はそそくさと
家に帰ることにした。
ゴソゴソと帰り支度をしてると
「なに、慌ててんの?いつもみたいに放課後は
体育館で遊んでかないの~?」
ユカリとヤヨイが机にやってきた。
「え?あ、き、今日はとりあえず帰るわ
なんだか風邪ひいたみたいだし…ハハ八…」
下手な小芝居で俺は教室から出て家に向かった。
家に帰っても誰も居ない、父ちゃんも母ちゃんも
仕事に出ているからだ。俺は家の中をグルグルと
歩き回る。カレンダーやポスター新聞…テレビ
何を見てもやっぱり今は2004年…これは真実だった
昨日まではおねーちゃん達を相手に好き勝手に
飲み遊び呆けていた。(仕事もしてたけどね笑)
それが目を覚ましたらこの状況…納得が全く
出来なかった。その時ひとつ思い出した事が
「それよりもミクは?ミクはどこいったんだ?
…ってか、これってミクが関係してんの??」
改めて家の中をくまなく探し回ったがやっぱり
ミクの姿は無かった。
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