※※※サツキの場合※※※
家に辿り着いたサツキはレッスンを始めて以来、夕飯の前にシャワーを浴びる習慣がある。
脱衣場の扉を閉め、制服と下着を脱ぐと壁に貼られた大きな鏡に映る自分の裸身の検分を始める。
(まだペッタンだなぁ。せめてペッタくらいになりたいのに。)
身体を側面から鏡に映すと胸の膨らみ具合に溜息をひとつ。
蛇足だがサツキとヤヨイの間のスラングとして、胸の膨らみ具合をペッタンコ、ペッタン、ペッタと表現しており、ペッタンの二人も全く胸が膨らみ始めていないていうことはない。
(何だか乳首だけ少し大きくなってきてるみたい。)
下腹部は、と視線を下に向けるとレッスンを受け始める前まではあった淡い翳りが今は無く、ツルリとした肌は、まるで茹で卵の殻を剥いたかのようだ。
レッスンの際、激しく身体を動かす為にコスチュームと擦れて無毛の状態になってしまうのだ。
これがサツキだけではなく、ほとんどの少女に共通した現象であることを知った時には、安堵のあまりサツキは涙ぐんでしまったものである。
脱衣場から湯船の前にある洗い場に立つと、蛇口を捻り湯温を調節しながら、まずは全身に温めのシャワーを浴びて汗を流す。
汗を流し終わり、身体を洗う前にシャワーの水量を最大にしたのには理由がある。
音だ。
これからする行為は夢中になり過ぎると知らず知らずのうちに声を漏らしてしまい、いつの間にか脱衣場にいた母親に危うく聞こえてしまったのは記憶に新しい。
左手の指先で右の乳首を軽く刺激しながら右手の指先を下腹部に這わせると、無意識のうちに最もサツキを狂わせてしまう部位、クリトリスを探り当てる。
(と、溶けちゃう。)
乳首とクリトリスから広がる感覚、痛みのようで痒みのようだが明らかに違う感覚は、わずか数ヶ月の間に依存症と診断可能な程にサツキの精神と肉体を蝕食みつつあった。
※元投稿はこちら >>