※※※配布されたコスチューム※※※
それは完全に密封された『何か』だった。
「次に明日以降の服装についての説明をします。レッスンの往き来は皆さんの通う学校の制服着用としますが、レッスンには今、配布されたコスチュームを着用して参加することになりますから説明をよく聴いて帰るように。」
女教師然とした女性講師の説明に従って少女達が真空パックされた『何か』を開封、折り畳まれて中に入っていたラバーのようなものを手にしながら室内にざわめきが広まっていく。
何?これ?
下着?
水着?
幼稚園児用?
小さくない?
「静かに。」
女講師の大きくはないが、よく通る声ひとつで室内のざわめきが嘘のように静まり返る。
「これは特殊な素材で出来ていて、伸縮性、通気性に富み、光の透過性が極めて低いというのが第一の特徴になります。」
シンシュクセイ?
ツウキセイ?
ヒカリノトウカセイ?
「つまり、こういうこと。」
呆気に取られたような少女達の反応を予期していたかのように、女講師は手にしたコスチュームをぐいっと引き延ばすと、少女達がザワめくのも無理はない。
びよ~ん
苦も無く3倍以上に伸びたコスチュームは幼稚園児用どころか、成人女性でも着用が可能に見える。
「さらに・・」
引き伸ばしたコスチュームを手にしたまま、演台の横にあった照明を少女達から隠すようにしたが、素材が透ける様子は全く無い。
「このような素材で出来たコスチュームを支給しますから、皆さんは身体のラインが透けたり、汗で蒸れたり、サイズを気にしたりすることは最小限にレッスンに励んで頂くことになります。それから第二の特徴・・・」
手にしていたコスチュームを演台に置き、別のコスチュームを手に取りながら女講師は説明を続ける。
「この素材は酸化により著しく耐久性が劣化する事でリサイクルしやすくなっています。具体的には開封して外気に触れると、約20時間後から急速に劣化が進み、30時間経過後には、この通り・・」
まるで濡れた紙が乾くと繊維がボロボロになってしまうように、女講師が手にしたコスチュームを軽く引っ張っただけで細かな破片と化してしまうのであった。
「ですので、一度レッスンで使用したコスチュームは回収用の箱に入れて帰って貰えれば結構です。回収されたコスチュームは新しいコスチュームとして再利用します。次に着用時の注意事項として・・」
正面の巨大スクリーンに3Gグラフィックで女性のボディと例のコスチュームらしきものが表示されると、女講師が指し示したのはコスチュームのクロッチ部分にある突起であった。
「これについて説明しますが・・」
言葉を切って演台の上から少女達を舐めるように見回すと、少女達の様子を伺いながら説明を開始するのだった。
それは経血やオリモノなどがコスチュームに付着、場合によってはコスチュームの裾の部分から流れ出すことを防止する為の生理用品なのである。
個人の体質にもよるが初潮を迎えた頃と前後して、膣から分泌されるモノ。
分泌物が他人の目に晒されることに対して、少女達が余計なことに神経を使うことを極力排除する為だと女講師は続けた。
「もちろん、ここにいる皆さんの処女膜に影響を及ぼす可能性は、ほぼありません。ご安心下さい。」
(まぁ『ほぼ』だからゼロじゃないんだけど。)
ごく一部を除き、ほとんどの少女は理解していない様子だが、やや表情を強張らせた何人かの不安そうな少女については脱落の可能性があることを承知の上で、少女達の反応を伺いながら女講師は続けた。
「最後にコスチュームの裏側、皆さんの肌に触れる部分に塗布されたジェルについてです。」
密着した肌と素材の摩擦係数を下げることにより、これも個人差があるが、肌への影響を最小限に抑える為のものであり、健康への影響は何らないはずであることを説明する。
(『健康への影響』、はね。)
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