※※※プロローグ※※※
「はぁ~。」
思わず溜息をついてしまう。
(やっぱり無理じゃないかなぁ。)
周囲を見回せば同じ年頃の少女が40人程、一様に緊張した表情を浮かべている。
中学生になったばかりのサツキには馴染めない世界、いわゆるショウビズ、つまり芸能界。
(お母さんが申し込みなんかするから。)
『サツキの引っ込み思案は少し治したほうがいいと思うの。』
半分は納得しながらも、母の言い分に反論も無きにしも非ず。
受かるわけがないと思いながら応募したオーディションに合格した、、いや、してしまった、、、が当のサツキにとっては苦痛でしかないオリエンテーションが延々と続く中、オリエンテーションの内容も半分、いや4分の1もサツキには理解出来ないと言っても過言ではない。
結果としてオリエンテーション会場で入れ替わり立ち代りの説明を聴きながら、合間に眼前に用意されたタッチパネル経由で承認ボタンを押し下げるだけ。
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