5年振りに再会を果たした二人にとって、その心と身体の乖離は想像以上の幅が有ったのかもしれない。
そんな理不尽とも云える状況を受け容れざるを得なかった彼女の心に、論理的な説明で非論理的な感情を説明してくれた彼の優しさがやたらと深く沁み込んで来る。
彼女にとって彼の存在は既に不可欠な者となりつつあった。
悠優「宏之さん」
宏之「なに?・・悠優」
悠優「この私の身体は私の物であって私の物じゃない」
「この身体は全て貴方の物・・」
「だから・・だから好きにして下さい」
「貴方の好きな様に・・」
「それが・・私の幸せなのかも・・」
宏之「・・悠優?・・君って?・・」
悠優「分かっていたの・・ううんっ、
多分、決まっていたの・・・あのとき・・」
「あの深い森に在った建物で貴方に始めて出逢った時に・・」
運命とは時に残酷であり、時には必要以上の感動を運んで来る。
彼女にはその事が今はっきりと認識出来たのだ。
宏之「悠優・・僕で構わないんだね?」
過去に何度も繰り返された愛の確認。
それが今、最終的な場面を迎えている。
悠優「貴方でなければ駄目だと思います」
「今、はっきりとそう言い切れます」
宏之「・・分かった!・・」
「それじゃあ、そっくりそのまま
今の言葉を君に返すね!・・一言一句そのままに」
悠優「ありがとうございます」
「私、幸せです」
宏之「・・僕も・・ありがとう・・」
二人はそんな言葉を交わした後に、極自然と唇を併せて行く。
そして5分後・・。
宏之「・・悠優?・・もう一回・・イイ?・・」
「お願い!・・一回だけでいいから! ね?」
悠優「宏之さ?・・・さっき空っぽって?」
宏之「なんかもう、収まりがつかなくなっちゃって」
「あ! それと出来れば後ろからしたいな~なんて、ね?(笑)」
彼女は込み上げて来る笑いを堪えるだけで精一杯であった。
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