宏之「えっとですね・・え~、あの~悠優さん?」
悠優「は~い! なんでしょうか?」
宏之「ん~・・度々で申し訳ないんですが」
「質問、いいですか?」
悠優「はい? どのような?」
宏之「あ~・・あのですね ところで
貴女はなんでその様なカッコを
していらっしゃるんですか?・・」
質問する彼の一般的な感覚では、余りにも可愛らしく似合っている彼女の制服姿にその胸を強くときめかせながらも、さりとて余りにも場違いな状況での制服姿の登場に物凄い違和感を覚えたからに他ならなかった。
悠優「え~?・・だって可愛くないですか? これって・・」
宏之「あ、いや そう云う問題じゃなくってね」
悠優「じゃあ、どう云う問題なんです?」
宏之「いやいや そもそも問題か問題じゃないかって
いう問題じゃなくってね? あ、あれ?・・」
「いやただ問題っていう事に問題がある訳では?
ちがうちがう! そうじゃなくって・・」
悠優「でも可愛いのは問題無いですよね?」
宏之「そうそう! 全く問題無いよ!」
悠優「やったー! よかった~ ホッとしました~(笑)」
宏之「うん! よかったね(笑)・・って、あ、あれ?」
彼は既に問題の本筋をすっかりと見失っていた。
宏之「・・? で? 話ってなんだっけ?・・」
悠優「えっと、私がいきなり制服を着て来たっていう事・・かな?」
宏之「ああ!! そうそう!」
「・・で、なんで?・・」
彼は更に先程の二人が交わした数々の問答さえ忘れ去っていた。
悠優「それは・・それは宏之さんの
名誉の為に絶対に言えないです~」
宏之「僕の?・・僕の名誉? の為?」
「分からない 想像もつかないよ」
悠優「え? だって・・もし貴方が使い物にならなかったら・・」
「あああ、いや、ちがうちがう!
そうじゃなくって・・えっとお・・」
宏之「使い物? ならない?」
悠優「あわわわっ! そ、それって忘れてください!」
宏之「忘れろ?・・なんで?」
悠優「だって、ん~・・もうっ!」
「そんな恥ずかしい事私から言える訳ない!」
悠優「君が?・・僕の名誉は?」
悠優「だからぁ~・・貴方の名誉の為にぃ~」
彼と彼女による、大いなる不毛な論議は続いて行く。
そして・・・。
宏之「なに? 簡単に云えば僕の為?」
「僕が勃起出来なかった時の用心に?」
「ロリコスプレの代わりに?」
悠優「ごっ、ごめんなさい! ごめんなさい!」
「あ、あの? 怒っていませんよね?」
宏之「そんな・・怒る訳ないよ」
(ぷ~、笑..悠優ってやっぱり天然?)(くすくす)
「君が真剣に考えてくれた事だもの」
「感謝こそすれ、怒るだなんて・・」
ネイビーブルーのブレザーに可愛らしいミニスカートと短めのソックスを履いて、その下には白のブラウスに赤いリボンを付けた清楚な雰囲気の彼女は申し訳なさそうに俯いてしまった。
しかしそんな彼女のか弱い姿が彼にはこの上なく愛しく感じられた。
宏之「・・悠優・・」
「本当にありがとう」
「心から感謝します・・嬉しいです」
悠優「かんしゃ? うれしい?」
「ほんとですか?」
「本当に?」
彼と彼女は行き違った思惑のままに、それさえも超越してお互いの心を温かく感じ取って行く。
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