偶然にも彼女を発見してしまった彼は、その彼女への熱い想いから駆られる様に書店に通って関係する書籍を買い漁り、更にはネット内を徘徊して様々な情報を手に入れる。
宏之「すごい・・凄いよ、悠優!」
「君にこんな素晴らしい才能があったなんて・・」
その美しい容貌とクールな雰囲気、そして溢れる様な知性を感じさせる様々な方面への的確なコメント。
その全ての要素が彼女の未来を確実に約束している様に感じてしまう。
宏之「悠優・・君は今、大変な人気者らしいね」
「これだけのマスコミへの露出は半端ではない」
「・・・・・」
「君はこれから・・
この後何処に行ってしまうんだろう?」
彼女は読モとしての活動でファッション雑誌のグラビアを飾るだけには留まらずに、最近はテレビやラジオなどのメディアにもその活動の範囲を広げている。
そんな彼には彼女の今の状況を探れば探る程、その存在が遠くなって行く様に思えてならなかった。
宏之「・・今更・・」
「今更この俺がのこのこと彼女の前に現れても・・」
「・・・・・」
「・・彼女には迷惑なだけなんじゃないのか?・・」
彼は彼女の行く末を思えば思う程、自らの存在を否定する様になってしまった。
宏之「でも・・でも俺はいいんだ」
「我慢すればいいんだから」
「・・しかし娘の悠望には、一目だけでも
愛されるべきママに逢わせてあげたい!・・」
「一度だけでも」
結局彼は彼女に逢いたいのかもしれない。
愛する娘をダシに使ってでも。
そんな複雑な想いを抱きながらも彼は一つの決断をする。
宏之「連絡を・・取ってみる、か?」
「だがどうやって?」
この時の彼の頭には”会“の事柄が鮮明によぎっていた。
宏之「彼女の・・彼女のブログに、
それとなくコメントを入れるってのは」
「・・どうだろうか?・・」
「それなら誰にも悟られ様が無いんじゃなかろうか?」
彼は自らの抑えきれないはみ出した心を無理矢理に押さえ込んで、恐る恐る彼女へとコンタクトを取り始めて行く。
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