二人の男が部屋から去った後、彼は再び彼女の居るベッドルームへと入る。
するとベッドに横になってすやすやと寝息を立てている彼女に遭遇する。
内田「・・なんて・・なんて可憐な生き物なんだ・・」
薄い毛布を掛けて目をつむる彼女の顔は天使の様な神々しさと清純な印象を受ける。
内田「綺麗だ・・これ程までの美しい少女には
今まで出会った事が無い・・・」
緊張と不安で顔を歪ませて表情を崩していた彼女とは別人の様である。
彼は彼女の存在を強く意識しながら部屋の隅に在る一人掛けのソファーに深々と座る。
内田「・・ずっと・・このままずぅ~っと・・」
「この可愛い寝顔を見続けていたい」
契約期間中であるならば確実に自らの所有物であるこの美少女の存在を、この目に焼き付けて置きたいと彼は率直に思っている。
そしてそれからどれ程の時が流れたのであろうか。
壁掛けの時計の長い針は優に2回転以上廻って、彼自身もうとうとと軽い眠りに就いていた。
悠優「・・・・・?」
「・・うっ、う~ん?・・」
深い眠りから目覚めた彼女は暫くの間、見慣れぬ天井を見つめている。
すると徐々にではあるが、今自分の置かれている状況が思い出されて来る。
悠優「はっ?・・・」
「・・・・・」
「私って・・眠っちゃったの?」
「・・・」
「そう、そうだ!・・男の人が・・
知らない人が二人入って来て・・」
彼女は上半身をベッドから起こすとキョロキョロと周囲を見渡している。
そんな彼女の目に入って来た光景は、確かに見覚えの有るベッドルームであった。
悠優「・・夢じゃ・・夢じゃないんだ・・」
部屋の奥にはうたた寝をする男の姿が在る。
悠優「あの人は確か・・うちださんってひと?・・」
「・・何であそこで寝てるんだろう?・・」
優しそうな表情で目をつむる彼の顔を見ながら、彼女は少しづつ数時間前の状況を思い出して行く。
悠優「あの人は・・あの人は私をどうしたいの?・・」
「私って・・これからどうなっちゃうの?・・」
考えても考えても答えは出て来ない。
そんなもどかしい想いを抱きながら、彼女は彼の寝顔を見つめている。
悠優「この人って・・なんだか・・
なんだか分からないけど・・
・・懐かしくて・・大きな感じがする?・・」
彼女は彼の寝顔を見ながら幼い頃に死に別れた父親の面影を追っていた。
そんな想いを感じながら、彼女はひと時の小さな安堵感に、縮こまる心をゆっくりと緩ませる。
内田「・・・・・」
「・・ん?・・ん~・・」
「・・あっ!・・」
「なっなんだ?・・俺、寝ちゃったのか・・」
悠優「・・!!!・・」
彼女は突然に目覚めた彼と目が合ってしまう。
すると彼女は毛布を身体全体に巻き付けてそっぽを向く。
内田「・・悠優ちゃん?・・」
「・・・・・」
「どうかしたの?」
彼の問い掛けに彼女は顔を真っ赤にしてしまった。
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