悠優「うちださ、ん・・くっ、くるしっ!」
「・・あ、あの・・」
「・・くるしい・・ですぅ・・」
内田「えっ? あっ?!! ごっゴメン!!」
感激の余りに彼女をキツく抱き締めていた彼は、見境も無く入れていた腕の力をとっさの判断で抜く。
そして彼女の身体からサッと飛び退いて、正座をしたまま様子を伺っている。
悠優「げほっ! けほっ! けほっ! ぐふっ!」
内田「悠優っ!! 大丈夫?!!」
「ああっ!! 俺とした事が!」
「ごめん! 本当にごめんなさい」
悠優「けほっ! けほっ! ん?・・えっ?・・」
「・・・・・?」
「・・ぷっ!(笑) けほっ! けほっ!・・」
「・・くくっ!(更に笑)・・」
内田「なっ?・・なに? 俺、また何かしでかした?」
彼は突然の様に彼女から吹き出されて、小さな笑いを取ってしまった。
そんな彼は顔を真っ赤にして、彼女へと問い掛ける。
内田「はあぁ~ なに?・・俺って何でいつもこうなんだろう?」
「女の子の気持ちなんて、これっぽっちも分かってないんだ!」
勝手にガックリと肩を落とす彼に向かって彼女が必死に語り掛ける。
悠優「ちっ、違うの! そうじゃないの!」
「別に私って、貴方を馬鹿にしてる訳じゃないの」
「・・ただ・・」
内田「・・えっ?・・なに?・・」
「・・只?・・」
悠優「内田さんって、必死に謝ってるのに・・ぷっ!(笑)」
彼女自身もゆっくりと起き上がって彼と向き合い、同じくキチンと正座をして対面する。
内田「なっなになに?(顔超真っ赤)」
悠優「謝ってる、のに・・ぷっ、くくっ!!(更に続けて笑)」
内田「はあぁぁ???」
今、彼女はJCの特権でもある”箸が転がっただけで笑っちゃう“の心境である。
だがそれは逆の意味で云えば、彼女にとって今の状態がリラックス出来ている証拠でもあった。
悠優「ご、ごめんなさい・・私こそ失礼な態度で」
「でも・・その姿・・」
手で口を抑えながら笑いを噛み殺す彼女が指差す方向には彼の股間があった。
内田「はっ? えっ?・・俺の・・これ?」
彼が自らの股間に目を遣ると、そこには涎を垂れ流しながらヒクヒクと物欲しそうに勃起したペニスが在る。
悠優「だってさっき、内田さんって・・
それをぴくぴくさせながら謝るんだもんっ!」
「私、それが本当に可笑しくって!」
「・・あっ!・・」
「・・あ、あの・・気を悪くしないで下さいね・・」
彼女は真剣な表情で悩む彼の顔を見て、自らの行き過ぎた態度を後悔する。
悠優「あのう・・ごめんなさい・・怒りました?」
「・・あの~・・もしもし?・・」
「えっ? ええっ?!」
彼女の気の利いた謝罪を受けて、今度は彼が酷く心を揺るがしてしまう。
悠優「も、もしかして・・泣いているの?」
「・・わたしの?・・」
「私のせいで?」
彼は目を真っ赤にして涙を滲ませている。
悠優「わたしが・・私が言った事で気を悪くしたのなら・・
本当にごめんなさい!・・ごめんなさい!」
必死になって頭を下げる彼女を見ながら今度は彼の方が謝罪の言葉を語り始める。
内田「僕の方こそ・・本当にごめん!」
「いきなり知らない僕が現れて・・
それから君に難問をどんどん吹っ掛けて・・」
彼の方もひたすらに頭を下げて、今の心持ちをつまびらかにする。
内田「それでも君は僕のバカな姿を見て笑ってくれて・・」
「・・・笑ってくれて・・・」
「ありがとう・・本当にありがとう・・
心から感謝します・・バカな僕になり代わって・・」
心細く不安な気持ちを必死に抑えて、自らの身体を奪いに来た男の気持ちすら気遣う彼女の姿を天使の様に感じ始めた彼は、その感謝の気持ちを表す有効な手段さえ持ち合わせておらず、只々謝りと感謝の言葉を綴るしかその方法がなかった。
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