その後、佳菜子ちゃんとシャワーで身体の汚れを流します。黒のベビードールはベトベトに汚れて使い物にならず、彼女は新しい下着を身に付けます。
僕は、『身体冷やしたらダメだから。』と自分の白いTシャツを彼女に渡しました。もちろん、彼女にサイズが合わないのは、お互い承知の上です。
佳菜子ちゃんも、『これは自分には大きすぎるぅ~アピール』をしながら、袖を通します。やはり、ブカブカスタイルとなりました。
Tシャツの裾は、彼女の太股まで降りて来てしまい、『スカートみたい~。』と、それをどこか喜んでいるようでした。
『ちょっと、LINEいいですか?』と僕に確認をし、スマホを触り始めた彼女。何度も言いますが、お母さんに連絡をする子供のように見えてしまいます。
『誰に送ってるの?彼氏?』と聞いてみます。『友達です。』と答えられ、更に『女です。』と答えた彼女にどこか安心をしてしまうのでした。
僕は先に布団に入りました。一眠りをして、体力の回復を待ちたい気分です。ところが、それを見た彼女はLINEをやめ、僕の布団に入って来ます。
『ああ、スマホしてていいよ。』と言いますが、『大丈夫です。』と言って、そのまま僕の身体にしがみついて来たのです。
これが計算なら、佳菜子は悪女です。お客である僕の行動をちゃんと見ていて、僕が喜ぶような態度をとっているのです。
こんな彼女を見て、『可愛い。』『けなげ。』と思わない八はいないと思います。『自分がどうやれば相手に好かれるのか。』分かっているような行動でした。
彼女は小さな細い腕を僕に回し、抱きついたまま止まりました。寝ているとは思いませんが、寝ていると思わせるような態度をとるのです。
子供を抱いているような感じでした。彼女を起こさないようにと、どこか気を使っているのが自分でもわかります。
『なあ?彼氏は?』、さっき返事をもらえなかったため、もう一度聞いてみました。『います…。』と寝てもないのに、寝起きのトーンで答えられました。
『同級生?』と聞くと、『2つ上。この前出来たばっかり。』と答えます。『佳菜子の処女はそいつ?』と聞くと、『もらってもらいました…。』と言います。
変な感じでした。いま抱いている感覚は、完全に子供。僕と9歳の差ではなく、15も20も離れている気がします。大人と子供なのです。
そんな子供に『彼氏はいます。』と言われたところで、何も気にすることもありません。しかし、僕にはなぜか気なってしまうのです。
もしも、佳菜子と付き合うことが出来ても、障害しかありません。一緒に歩いても、親子です。間違えば、少女を連れ去ろうとしているおじさんです。
家族や会社の同僚に、彼女を紹介したらどうなるでしょう。きっと、『お前、どうしたの?』と心配されるに違いありません。
どう考えても無理な彼女なのに、『手にいれたい。』『手離したくない。』とそんな変な気持ちが芽生えてしまっていたのでした。
※元投稿はこちら >>