突然現れた あの娘 ~天使★小悪魔~(18禁 ver)24
……朝方…うっすらと空が
明るくなってきた頃…
(……くん…ケンジくん…
ねえ、ケンジくん…)
「う、うん…あれ?エリナ?どうした?」
(今までありがとね…)
「な、何が…ってかエリナだよね?」
夢なのか現実なのかわからないが
声が脳に直接聞こえる。
目を開けたくてもなんだか開かない…
会話をしながら一生懸命開けようとする…
(あのね…本当はお礼を
言わなきゃいけないの…)
「な、なにを?…居候した事?」
(それだけじゃなくて…実はアタシ…
前にもこの家に来たことあるんだよ…)
「え…?いつ?いつのこと??…」
(覚えて…ない?…
そっか…仕方ないよね…)
「だって小学生の女の子を
部屋に入れたのは…って言うか、
女の人を部屋に入れたのは
エリナが初めてだし…」
(アタシね助けてもらったんだよ、去年…)
「…去年??よくわかんないよ、
なんのドッキリ?」
(いつも行くコンビニの前で
怪我をしてるところをケンジくんに
助けてもらって…この部屋で数日間
ケガの治療と介抱してもらったんだよ…
覚えてない?…か…仕方ないね…)
「俺、女の子を助けた覚えないよ…」
(そっか!あの時のアタシは
猫だったからね♪)
「えっ?もしかして…あの黒い子猫??」
(そ~だよ、思い出した?良かった…♪)
「なんだエリナが飼い主だったのか~」
(違うよ!バカ!アタシがあの猫なの!!)
「え~!?マジで言ってんの??
これなんの夢?」
(現実だよ…よく見て…)
そう言われたら自然と目が開いた。
目の前には黒い子猫が一匹…
俺をまっすぐな目で見ている。
まるで初めて会った時のエリナの目のように…
「本当にエリナなのか…?」
(うん、そうだよ…あの時はありがとね…
でもね、アタシあの後ね車に轢かれて
死んじゃったみたい…
バカだねアタシ…ハハハ…)
「エ、エリナ…」
(でもねもう死んでるから
痛くもなんともないよ
ただ、あの時のお礼が
出来なかったのが心残りで…
だからこうしていきなり
押しかけたの…ごめんね)
「謝る必要はないよ!
ありがとね来てくれて…」
(でもねこれでお礼が出来たよ、
もうケンジくんは
ドーテーじゃないんだから
もっと自信持ってね
コハルさんに告白しちゃいなよ)
「ば、ばか、いきなり何言ってんだよ…」
(それじゃ…アタシ行くね…)
「エリナ!どこ行くんだよ!?
おい、エリナ!」
(また逢える日までお元気で…)
「待てよ!行くなよ!エリナ!!
おい!お前!」
そう言ってエリナは窓から
飛び出して行き俺の目の前から消えた。
※元投稿はこちら >>