戻る時も同じ様に石を投げ何も居ない事を確認したが、それでも美冬は腕にしがみついた。「また抱っこしてあげようか?」と言うと「もうっ!!」と怒った。暗い道を歩いて行くと、前に光が見えた。一瞬美冬はビクっとしたがそれが他の客だと解ると「ふぅ」と溜め息をついた。向こうから来た人はカップルだった。「こんばんは」とお互いに挨拶をしてすれ違った。「恋人同士ですかね?」と美冬は言った。「そうだろうね」と答え「俺達もカップルに見えたかな?」と言うと「えっ!?」と驚き俺を見た後、美冬は俯いた。「まぁ…俺は構わないけど…藤田ちゃん可愛いから」と言うと「可愛くなんてないです」と言った。その後テントに戻るまで美冬は沈黙した。俺は(マズったかな)と思った。テントに着き「じゃぁおやすみ」と言うと「お、おやすみなさい」と言いテントに入った。俺は(あの反応はどっちなんだ?)と思いながら眠りについた。やがて日の出の時間前にセットしておいた、スマホのアラームが鳴り俺は目を覚ました。
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